感想:舞台『ウエアハウス 〜Small Room〜』

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取り壊しが決まった教会の地下にある"憩いの部屋"で、地域サークル、「暗唱の会」のメンバーが活動を行っている。
活動の内容は、各自がそれぞれ好きな詩や小説、戯曲などを暗記してきて、メンバーの前で暗唱するというものである。
近くの出版会社で働く男もそのメンバーの一人である。だが、男はこれまで一度も暗唱を披露したことがない。
アメリカを代表するビート派詩人、アレン・ギンズバーグの長編詩『吠える』をただひたすら練習しているだけである。
一人になると、ぶつぶつと『吠える』をつぶやく。そこへ、若い男が現れる。
いきなり英語で話しかけてきた若い男に興味を引かれ、ふたりは話し始める。質問ばかりする若い男に戸惑いながらも、いつしか若い男のペースに巻き込まれていく──



まずはじめに、わたしは金曜日の夜は職場の仲間や友人たちと飲みに行ったり彼氏とデートなどという華やかな生活とは真逆の喪女ライフを過ごしており、金曜日の夜だけ放送しているファミリー劇場チャンネルの『ほんとうにあった!呪いのビデオ』を観るのを楽しみにしている。

しかしハチャメチャにビビりであるため、金曜の夜は絶対に眠れなくなり、一緒に起きてくれている飼い猫に頼ったり、ピクシブを漁ったりして気を紛らわせてから眠る。お化け屋敷は入れない。肝試しもやったことが無い。写真の専門学校に通っている友人に頼まれて撮影のために一緒に自然豊かな道を歩いていた所、神社が見えただけで絶叫してダッシュしたようなビビりだ。そんなわたしであるから、この舞台を観劇している最中は、ハチャメチャにビビり倒していた。ビビり倒していたので、ぶっちゃけ、かなりの部分を覚えていない(死ーーーーン)。

普通のサラリーマンであるエノモト(佐野瑞樹)が、取り壊しが決まっている教会にいるときに、シタラ(味方良介)という男がやってきて、エノモトと世間話を始めるのだが、その時点で会話に違和感を覚える。会話はしているが、引き出せていることはエノモトのことだけで、ひたすらシタラは質問しているだけだった。その時点でシタラが薄気味悪くて怖かった。シタラが自分のことを話すのはもう少し後だったと思う。

お互いに免許証を見せ合うのだが、シタラは少し見ただけで完璧にエノモトの個人情報を丸暗記していて、生年月日だったか住所だったかを空で言ってみせる。

このときに急に場が止まってめちゃくちゃ大きいノイズ音が鳴って、超ビビった。まじでまじでビビって心臓バクバクしてしまい、これがわりと序盤であったため、その後はずっとビビり倒す羽目になり記憶が無いという結果に繋がっている…メソ…。

途中で区役所かどこかで働いている公務員のテヅカ(猪塚健太)が現れる。テヅカは公務員なので、本来は教会を取り壊すことを進める側なのだが、どうにか上手い方法がないかを模索してくれた、エノモトにとっては頼もしい同志だった。
エノモトとテヅカはツイッターだって相互フォローしているし飲みにも行っているとシタラに言っていた。シタラはそれを何とも表現できない顔をして聞いていた気がする。

シタラとテヅカは反りが合わない。
テヅカが得意気に、「ホワイトノイズ」という、ノイズの中から必要と思う音を拾えるようにする方法について語っていた気がするのだけど、興味深そうにその話を聞いて言われた通りにホワイトノイズを聞けるアプリをダウンロードするエノモトに対して、シタラは面白くなさそうに聞いていた。シタラはエノモトに異論を展開するのだが、いわゆる論破だった。その瞬間から、テヅカの態度が変わる。飄々と明るい風だったテヅカはイライラし始める。テヅカにとって、エノモトは従順というか、扱いやすくて楽だったのに対して、シタラは自分の考えがあってハッキリ論破してくるからイヤになったんだろうな。

シタラが飲み物を買いに行って、テヅカとエノモトがふたりきりになると、「やっぱり移転も無理になったんで関係者に上手くいっといてください!めんごっす!」のようなノリでテヅカはエノモトに言う。
その時点でエノモトの中では同志ではなくなる。テヅカは「また飲みに行きましょうね」と言うが、もうそもそも社交辞令のような気もするし、エノモトも「はぁ…」と完全に脱力した返事をする。共通の目的があったから築けていた人間関係が目的の喪失により急激に希薄になる所がとてもリアルだった。

最終的には、どんどんシタラが自分の話をするごとにより薄気味悪さが強くなっていく。通り魔が近くをうろついているかもしれないといった情報が入ることで、シタラが通り魔かもしれないという気持ちにこちらがなってしまうし、住所を覚えていることで自分の家族の身に何かが起きてしまうかもしれない恐怖感などが充満して場の空気が緊迫していく。エノモトはどんどんシタラとの空間が耐えられなくなる。

シタラは自分の話を聞いてもらいたくて執拗にエノモトを引き止める。その話だって、自分の話といっているのに自分を取り巻く環境における人物の話ばかり。
シタラは離婚した元嫁とのことを話したときに、全然夫婦の会話がなくなってしまって、猫を飼ったら猫を通してしか話してこなくてなって、そのうちニャア、ニャアとしか聞こえなくなったんですよって言ってたんだけど、普通にシタラの頭がおかしいだけだよなって思った。離婚してくださいと嫁から言われて、会話がなくなっただとか文句を言っていたのにどうやら裁判を起こしてまで離婚にすぐに応じなかったみたいだしよく分からない。

エノモトが奥さんに買ってもらったジャケットを着てもいいですか?と言って羽織ってから全然脱ごうとしない。
途中で教会の外で犬が吠える。シタラは外に出ていく。フラグやん…!!!とわたしは心の中で泣いた。犬の鳴き声が止まる。ほらーーーー!戻ってきたシタラは白いTシャツを真っ赤な血で染めていた。ほらなーーーーー!「ノイズは元から絶てばいい。ジャケットを丸めて噛みつかせて、喉元をナイフで掻っ切る」とか言っていた。犬に暴力ふるうとか、ディオ様かよ…。

シタラは少し暴力性が増していった。エノモトに対して、自分が買った家なのに嫁と生意気な娘に居場所を奪われてこんな所に居るだとか、エノモトに対して事実(と思われる)ことをぶつけていく。
シタラはそのうちエノモトにナイフを向けて「わたしを、殺して、ください、って言え」って命令してたけど、エノモトは言わなくて、小競り合いになって、ナイフがエノモトの手に渡ったときに「殺せ」と今度は自分を殺せと命じていた。結局、エノモトはシタラを殺せなくて、シタラはガッカリしたような顔をして去っていった。
暗転してから、椅子に座っていたのはエノモト。入ってきたテヅカに、初めてシタラと逢ったときのように、It's very hot today isn't it? と英語で挨拶をして終わる。


シタラ、笑ゥせぇるすまんの喪黒福造みたいな感じなの?(究極に頭が悪い感想)

頭が悪いからラストの意図が分からなくて泣きそうです。何で暑くなったの…?何でエノモト、英語喋ったの?エノモト、喪黒にどぉーーーーん!ってされたから狂ってしまったの?シタラになってしまったん?HPに書いてあった、「究極の愛の物語」の意味が分からなかった。ずっとビビってたしな…。演出家がこの感想を万が一目にしたら泣いちゃうよね…こんなバカに観られてたんだって…。ユルシテ…。


むかしのかすかな記憶をたどりに書きたいことがある。
フランツ・カフカという作家の『変身』という小説がある。家族のために働いてた青年が、ある日目覚めたら巨大な虫になっていたという話なのだけど、なぜ虫になってしまったかは書かれていないという超不親切な作品。

虫になった青年はどんどん思考まで虫になっていくし、家族からはいためつけられて最後には死んでしまう。青年が働いて生計を立てていて、家族にお金の面で寄りかかられていたのに、青年が死んだあとは家族がそれぞれ自立して、青年って一体…(キートン山田)みたいな後味が残る。

なぜ虫になってしまったのか、何か精神的なものが影響しているのか、とかそういう考察は結構あると思うのだけど、理由はないという解釈があって。

2つの平行した世界軸があって、ひとつは自分が居る世界軸で、もう片方はこっちの世界軸では想像できないような知らない世界軸。
本来は交差することはないのだけど、突然片方の世界軸がこっちの世界軸に入り込んでしまったために、青年は虫になってしまっただけ。っていう、ただただ不条理なだけです、という考え方があって。
何かこの辺りの解釈はフランツ・カフカ実存主義だからだとかいうのも絡んできてものすごく厄介だしこれ以上バカが露呈するのはしんどいので書かないけど、もしもあのあとエノモトが狂ってしまって家族の元から離れたとしても嫁や娘は自立して生きていけると思うし、そう考えるとエノモトも『変身』で虫になってしまった青年のように、シタラが現れてしまったことで突然状況が変わってしまった、不条理の被害者だなと思って。笑ゥせぇるすまんも不条理な話だし。

三人の役者さんたちがそれぞれのタイプに分かれた人間を演じるのが物凄く巧みで感嘆させられるばかりだった。味方良介さんはとにかく薄気味悪くてすごかった。とても頭がいいのだろうなと思った。『リメンバーミー』でドアに頭ぶつけて気絶していた人とは別人のようだった。
そこに味方さんの姿はなくてシタラそのものだったから、めちゃくちゃ苦手になりそうになってしまって、いやご本人は自炊が好きでルドルフやりたい人…サイコパスじゃないんだよ…きっと…って思ってたのに見た目がエゲツないものを召し上がっていて怖かった。

 

シタラがとても怖かったので、シタラの影に怯え続けることがないように、いつか機会があれば、可愛かったり明るい役を演じている味方さんのお芝居を観ようと思う。




ウエアハウス 〜Small Room〜
脚本・演出 ▶ 鈴木勝秀

公  演 ▶ 2017/10/8〜11/7
劇  場 ▶ アトリエファンファーレ高円寺

感想:舞台『K -MISSING KINGS-』

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現実とは微妙に異なった歴史を歩んだ現代日本。
そこには巨大な異能の力を持つ7人の《王》が存在していた。
彼らは自らの力を分け与えたクランズマンたちと共にクランを形成する。
青く結晶する秩序、荒ぶる赤き炎、白銀に輝く不変、そして、緑に枝分かれする変革。それぞれの属性を持つ《王》たちは今――
四人もの≪王≫が交錯した“学園島事件”。その事件以降ずっと、白銀のクランズマンである夜刀神狗朗とネコは 主であるシロの行方を探していた
その日もシロに関する手がかりを得ることが出来ずに 気を落としていた二人だったが、 街中で≪吠舞羅≫のメンバーである鎌本力夫と櫛名アンナが 何者かに追い回されている場面に遭遇する。


舞台『K』は、初演から4年目となる舞台である。
今まで様々なことも起きて役者と観客それぞれが思い入れのあるシリーズでもある。わたし自身は、原作アニメは途中で観なくなってしまっていて、キャラクターの知識も乏しいし、舞台についても途中参加で、思い入れも、想い出と思えるようなものも特になく、実に中途半端な身である。

初演からずっと続けてきた荒牧さんの満を持しての座長公演でもあるわけだが、Kステのことも荒牧さんのことも見守って応援して来たわけではないので、どうしようもなく置いてけぼりな気持ちが拭えなかった。
ただただ、久し振りに荒牧さんや他の見知っている役者の舞台姿を観れることを楽しみに観劇した。




───────周防尊が格好良すぎる。


周防尊のプロフィールを調べた。
24歳。身長185cm。誕生日は牛島若利と同じ8月13日で獅子座。血液型はB型。

獅子B。

占いに造詣の深い友人が居る。
友人は「獅子座のB型は、ヴィジュアル系バンドには1人居た方が良い」と言っていた。何故だかは忘れたが、リーダーシップがあったりだとか、そういう理由だったと思う。とにかくグループには1人居ると良いとされる獅子座のB型、それが赤のクランの王だった周防尊である。

アニメでの喋り方が分からないので、アニメでの声や喋り方を踏襲しているかご本人の特徴なのか判断が出来なかったが、喋り方や声は渡部篤郎であった。一緒に観ていた友人も「アレだ…リカコの旦那………リカコの旦那」と言っていたので、渡部篤郎みはあったのだと思う。リカコとは離婚済みのようである。

周防尊を演じていた上田堪大さんは、横から見たときに程よく薄いが逞しさもあり、スラッとしているスタイルでとても格好良かった。わたしは尻がぷりっとしている男性が例外を除いてわりと無理であるため、彼の立ち姿はとても格好良くて好きだと思った。

アンナを慈しむように見つめたり、自身の運命を静かに受け入れている姿がとても格好良かった。ああいう雨の日に捨て犬や捨て猫を拾ってしまう不良のような雰囲気の男が好きだ。
彼はきっと心も視野も広くみんなから慕われていたのだろうと、舞台前半にあったダイジェストで観た光景を思い出す。
もう彼はこの世に居ないのかと思うととても寂しくなった。わたしが寂しいのだから、クランズマンはどれ程寂しくて苦しいのだろうと思ったし、赤のクランが好きなひとたちも、苦しいだろうなと思った。きっとこういう苦しさや葛藤の経験があればあるほど、Kステというものに強い思い入れができたりするのだろう。
寂しさや喪失感などを受け入れて前に進み出し赤の王となったアンナもとても格好良く美しかった。わたしは赤のクランが好きなのだと思う。


わたしが観たときには既にもう佐々木さんは怪我のため声のみの出演だった。荒牧さんが佐々木さんとの殺陣が楽しいからみんなにも観て欲しいと言っていたので、観ることが叶わず残念な気持ちは正直あるが、それよりも一日でも早く回復してくれるといいなと思っている。
代わりを務めた方は殺陣師なだけあって、とても動きがすごくて観ていて楽しかった。

そんな彼が、己の顔を小さく写すために奮闘したまとめが面白すぎるので紹介したい。

 
これである。

個人的には⑤の小野健斗さんのせいで放心状態となりそのまま撮った⑥の流れが大変好きである。しかし誰だって小野健斗さんの隣に立ったら遠近感はおかしくなると思うので小野健斗さんが悪い。佐々木さんの顔がすべてコピペか?という具合なのも気になる所である。


自分の中で積み上げたものが無い中でのシリーズものは、観ていてあまりのめり込めなかったり、消化しきれない部分もある。それ故に、結果的に周防尊が格好良かったという感想のみになってしまった…でも事実だから…。
7月振りに拝見できた前山さんのお顔が相変わらず綺麗すぎて結構ガン見したりとか、荒牧さんがお姫様だっこを軽々してるのがとても良かったとか、こまごました感想はあるといえばある。

全体を通して、登場人物たちが結んだ絆が解けないように、歴代の役者が積み上げてきたものを壊さないように葛藤して進み続ける作品に対峙することはできたので、少しKステという世界に触れた気がした。



舞台『K』
脚本・演出 ▶ 末満健一

京都公演 ▶ 2017/10/19〜22
劇  場 ▶ 京都劇場
東京公演 ▶ 2017/10/26〜29
劇  場 ▶ 天王洲銀河劇場

星組別箱公演に向けて、実際に映画『ドクトル・ジバゴ』を鑑賞した話

前回、映画『ドクトル・ジバゴ』についての情報をネットから集めてまとめました。


しかしあの後実際に映画を鑑賞しました!

というのも、そもそもが1965年の映画でリメイク版もあるしで情報が錯綜しているし名前の読み方も違っているし長い話なので、それらを集めても整合性が取れなくてしっくり来なかった…
百聞は一見にしかず!!!自分の目で見て耳で聞いて感じたことが全て!!!それ以外は全てただの参考情報!!!というスタンスなので、Amazonプライムに加入して(30日間月額無料だった)、199円で48時間のレンタル配信を購入して視聴しました。
舞台は小説ベースなのですが、映画の方が手っ取り早いと思ってまずは映画にしました。それでも200分近くありましたね…小説どのくらいボリュームあるんだろう。
 

登場人物

ユーリサイド

  • ユーリ・ジバゴ(轟悠

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  • トーニャ

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  • イエブグラフ

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  • ボリス・カート教授

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  • アレキサンドル・グロメーコアンナ・グロメーコf:id:zigxzag:20171103141510j:plain


ラーラサイド

  • ラーラ(有沙瞳)

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  • アメリア

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  • パーシャ

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  • コマロフスキー

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  • トーニャ・コマローバ

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あらすじ

ソビエト連邦の将軍、イエブグラフは自分の腹違いの弟で詩人のユーリの娘を探していた。探し当てたのはターニャという労働者。両親をほぼ知らずに育ったトーニャに、イエブグラフはトーニャの両親であるユーリと恋人ラーラの物語を語り始める。



ユーリ・ジバゴは父を亡くし、モンゴルで母親と暮らしていたが、母親とも幼いうちに死別する。ユーリはモスクワに住む父の友人・科学者アレキサンドル・グロメーコと妻アンナに引き取られて育てられることになる。母親の形見は、母親が得意としていたバラライカのみだった。

ユーリは医学の勉強をするかたわら、詩人としても知られるようになる。ユーリは養父母の娘・トーニャを愛しており、結婚を約束していた。



美しい娘ラーラは、帝政打倒の革命に情熱を燃やす青年パーシャと恋人の関係を結んでいた。
洋服店を営んでいるラーラの母親アメリアの支援者でもあり愛人でもある弁護士・コマロフスキーは、母親と関係していながらも娘のラーラにも関係を迫ろうと考えていた。

自分からラーラに気持ちが移ったことを感じながらも、ラーラの母親は生活のためにコマロフスキーとラーラが関係を結ぶことを承諾する。
ラーラもまた、母の心を知っており、コマロフスキーと関係を持ってしまう。



ある夜、娘やコマロフスキーとの関係に悩んだラーラの母親アメリアは服毒自殺を図ろうとする。
薬品を服毒したことに気付いたコマロフスキーは、友人で医師のカート教授をラーラの家に呼び出して母親の治療にあたらせる。カート教授は自分の教え子のユーリを同行させる。

無事に治療を終えたユーリは、報告するために家の中でラーラを探していると、ラーラとコマロフスキーがただならぬ関係にあることを知ってしまうのだった。
その帰りに、カート教授にユーリは、父親の遺産をほとんどコマロフスキーに取られた過去があることを話す。カート教授は良い所もあるのだと言う。



あるとき、パーシャは顔に酷い怪我を負った状態でラーラの家に転がり込む。デモを鎮圧しようとした警察との衝突の際に受けた傷だった。パーシャはラーラに一丁の銃を預けて去っていった。



後日、ラーラはコマロフスキーにパーシャを紹介する。パーシャが去り、ラーラの自宅にコマロフスキーと帰ると、コマロフスキーはラーラに対して、パーシャとの結婚を反対する話を始める。不純な女に高潔なパーシャは相応しくないと侮辱するのであった。反抗するラーラをコマロフスキーは強姦する。



上流階級の者たちが集まるクリスマスパーティーで賑わう屋敷では、ユーリとトーニャ、そしてコマロフスキーの姿があった。
ユーリの医師免許取得の報告、そしてトーニャとの結婚の報告をしようとした矢先、銃声が響き渡る。屋敷に忍び込んでいたラーラがコマロフスキーに向けて銃を撃っていたのだった。弾はコマロフスキーの腕に当たり失敗。
ラーラが屋敷に来る途中の道で逢い、間接的に別れを告げられたことに納得がいかずにラーラの後を追っていたパーシャがその場に現れ、ラーラを連れて屋敷を出て行く。
ユーリはコマロフスキーの治療にあたるが、ラーラを侮辱するような発言をするコマロフスキーに不快感を覚える。
ラーラを連れ出したパーシャは、ラーラの身に起きていたことを知る。そしてラーラの不貞を許すのだった。



1914年、ロシアは第一次世界大戦に突入し、ドイツとの戦争が始まる。
この戦争に負けたロシア帝国は内乱へ発展。皇帝を監禁し、レーニンがモスクワへ入る。

この戦争の際、パーシャは前線へと送られてしまっていた。帰らない夫を探すために、ラーラは看護婦として前線に向かうことに。そこには、医師として従軍するユーリの姿もあった。再会を果たした二人はともに負傷者の治療に当たる。パーシャは戦死したと報告も入っていた。
負傷者が退院し、ラーラも病院を去ることとなった。ユーリはラーラに恋心を伝えようとするが、それをラーラは制止し、二人は別れる。

ユーリはモスクワへと帰郷したが、ロシア革命によって家の様子は一変していた。
ユーリの屋敷には、個人の財産が分配されるようになったため多くの労働者が住み着いており、ユーリたちは貧しい生活を強いられることとなる。
その頃には養母は亡くなっており、家族は養父(義父)とトーニャと息子サーシャの三人。暖炉にくべる薪もなく、木で出来た外壁を剥がしている際に、共産党員がユーリの姿を発見する。イエブグラフが弟を見つけた瞬間である。
部屋の物品を他の住人に取られ揉めている際にイエブグラフが現れる。弟の身を案じてベリキノという街への移住を薦める。ベリキノには別荘がある。ユーリたちは家族はベリキノ行きを決意する。



ベリキノに向かう旅の途中、列車が止まってしまい、周辺を散策していたユーリは、別の列車が停まっているのを発見する。
そこでスパイ容疑で捕らえられたユーリは、人々から鬼のように恐れられ、民衆を苦しめていると噂される赤軍のストレルニコフという将軍と出会う。この将軍の正体は実は戦死されていたとされたパーシャであった。
革命という大義の前には家庭など塵同然だと冷酷に言い放つストレルニコフは、革命への狂信以外、何も持たない男となっていた。
このストレルニコフから、ラーラがユリアティンという、ベリキノから遠くない街にいることを知らされる。釈放されたユーリと家族はベリキノにたどり着く。



ベリキノに着いたユーリら家族は別荘へ向かうも、閉鎖されていて使うことが出来なかった。近くにある門番部屋で住むことを決め、自給自足でなんとか毎日を過ごす。
ある日、ユリアティンの町へ出かけたユーリはラーラと再会する。このとき、時代はロシア革命の後。臨時政府は安定せず、赤軍、白軍、パルチザン(遊撃隊)など、政治思想の異なる集団たちによる内乱状態が続いていた。
そんな時代の中、ユーリとラーラは密会を重ねて愛し合うが、トーニャのお腹に第二子が居ることもあり、罪悪感からユーリはラーラに別れを告げる。
その帰り道、ユーリはパルチザン(遊撃隊)に拉致され、医師として活動に協力することを強制された。



無残な戦いを目にしながら家族を心配したユーリはなんとか脱出し、ユリアティンの町にたどり着く。町の人間にベリキノのことを訊ねると、ベリキノは無人だと言う。その足でラーラのアパートに向かったユーリは意識を失う。

ラーラの看病で回復したユーリは、トーニャたちがパリへ追放されたことを知る。ラーラとトーニャは、お互いの立場を知ってしまうこととなり、トーニャはユーリがラーラの元を訪ねることを確信し、想いを託し去ったのであった。



ユーリ、ラーラ、カーチャ(パーシャとラーラの娘)は三人で暮らし始める。ある夜、コマロフスキーが二人の前に現れる。彼は法務大臣となっていた。ユーリとラーラの二人に国外に逃げようと誘いを持ちかける。ストレルニコフが失脚し、ラーラの身が危ないというのだ。二人はそれを拒否し、ベリキノで生きることを決める。

ラーラと暮らす日々でユーリは創作意欲が復活し、「ラーラ」というラーラへの愛を綴った詩を完成させる。
そこに再びコマロフスキーが現れ、ストレルニコフの失脚と自殺により妻であるラーラにもいよいよ危険が迫っていることをユーリに告げる。

ユーリ自身はコマロフスキーの助けを拒否し、ラーラとカーチャだけが街を出ることとなった。ラーラの腹にはユーリの子供が宿っていたためである。コマロフスキーにラーラを任せることにし、ラーラは極東へと去った。



ユーリは兄のイエブグラフの助けにより医師として働く環境を手に入れていた。ある日、ラーラと思われる女性を見かけ、その後を必死に追いかけたことがきっかけで、心臓の病により命を落とす。

イエブグラフはユーリの葬式でユーリの死を知って駆けつけたラーラと出会う。ラーラはイエブグラフに、生き別れてしまった娘を探して欲しいと頼む。孤児院を探し回るも見つからずじまいだった。
ラーラはその後、捕まり強制収容所に収監され、やがて処刑されたという。



一連の話を聞き終えたトーニャ・コマローバはポロポロと涙を流す。イエブグラフは何故生き別れてしまったのかを問うと、モンゴルに居る際に警察が来て、逃げている間にコマロフスキーと繋いでいた手が離れてしまい、迷子になってしまったという。
トーニャ・コマローバは父親はコマロフスキーだというが、イエブグラフは違うという。イエブグラフは、本当の父親はユーリだと教える。
やがて迎えに来た恋人とトーニャ・コマローバはその場を去る。力になるという話を考えておいて欲しいとイエブグラフは言う。
トーニャ・コマローバの荷物の中にはバラライカがあった。誰にも習ったことはないらしいが、名手だと恋人は言う。
イエブグラフは、血筋だなと笑いながら二人の姿を見送る。

 

鑑賞しての感想

ユーリについて
本当に無理です…やっぱり昔のこういう作品って男性に嫌悪してしまいがち。『琥珀色の雨に濡れて』の主人公も無理なタイプなので今回も然り。

コマロフスキーは自分という人間を肯定して生きているし、パーシャは自分の中に確固たる理想の世界があってそのために尽力している。
ユーリだけが、何となくあやふやでまさに時代に翻弄されて流されて生きている。職だって、養父が用意した医者という道を進んでいるから。上流階級だから当然だとは思うんだけど!どうしてもコマロフスキーとかパーシャのように自力で這い上がってきたり生きているような人を見ると、軸が無いような人間に見えてしまう。

ラーラと不倫するわけですが、勿論悪いことなのですが、ラーラは心細いに決まってるんですよ。戦争があって内乱があって政治情勢が変わっていく激動の時代に、娘を抱えて生計を立てて生きているので、甘えられる愛にすがってしまうのは仕方ない。
ユーリは違うんですよ、素晴らしい奥様が居て可愛い息子が居て安寧を得ているのに、安全を確保している上でラーラと不倫してるので腹が立つんです。

旦那は不倫してからの失踪。お腹に第二子が居る状態で、ロシアから追放されてパリに逃げる道中、どれ程トーニャは心細かったかって思うとユーリ許せないんだけど!

理事版だと「理事が格好良いから」という理由で映画を観たときの嫌悪感は絶対に薄れると思いました。何故ならイケメンはある程度何をしても許されるからです*1


コマロフスキーについて
恰幅のいいエロいヒゲのオジサン。美しいと思った女を抱きたいから抱く。自分は上流階級の人間だから、自分よりも身分の低い者は見下す。自分は汚い人間であるということを肯定して生きている。
悪い人なんだかいい人なんだかって感じの行動を終盤にするけど、トータルで見ると、まぁ、悪い人寄りかな…。


パーシャについて
若くてハツラツとした熱血イケメンが出て来るんだろうなあ!って楽しみにしてたのに、マザコン成分抜いた冬彦さん*2みたいな、めちゃくちゃ暗くて神経質そうな男の人が出てきて、あまりのショックで心の中で泣きました。無理です。改変してしまって一向に構わないので、若くてハツラツとして熱血なイケメンにしてください。タカラヅカマジックを使ってください。あんまり出てこなかったです。コマロフスキーの方が出てきます。

ラーラとトーニャ
ふたりともすごく好き!ラーラはただただ女優さんが美しかったのもポイントだったけど、不倫はしてしまうけれどもしっかりしている女性だし魅力的だったので憎めなかった。17歳から20代後半(30代にはなってるのかな…?)までを演じることになりますね!少女の時はたしかに可愛い仕草とかもあったけどそれでも大人びていて、終始大人な女性っていう印象でした。
ユーリのお嫁さんになるトーニャは本当に文句無しの奥さんだと思う!とても優しくてユーリのことを大切に思っている。どんな環境にあっても慎ましく生きてる。こんな女性と結婚できる男性は幸せですよ。なのに不倫するユーリは最低です。


戦争の描写は思っていたよりも少なかったけど、それでもやはりロシア革命辺りの知識は最低限頭に入れた上で観劇すべきだなと思いました。映像や音楽が美しくて、冬の侘しさや春のあたたかさが描かれていて視覚的に満足が得られる作品でした。
結構、「行間読んでね」っていうのかな、ハッキリ「こういうことが起きました」と説明を受けるのでなくて「こういうことがあったんだな」と察しなきゃいけない場面が多かったかも。
ユーリの養母や養父が亡くなるシーンは無くて、気付いたら居なくなってるから「亡くなったんだな」って思ったり、パーシャについても失脚している所や自殺する所は伝聞で実際には見ることは無い。ラーラも収容所に入ってから亡くなるんだけど描写は無い。パーシャが失脚したり自殺するシーンは、舞台ではあっても良いかもなと思いました。
あと、ラーラがコマロフスキーと関係を持っていたことが綴られた手紙をパーシャが読んで苦しんでからラーラを抱きしめるんだけど、窓の外からうっすらとその様子が見える、という描写なのでセリフは無いんですね。こういうシーンが舞台でもあるなら、セリフ欲しいなあ。

余談

ラーラの娘トーニャ・コマローバが、わたしが大好きな映画『コーラス』に出てくる少年に似ている。

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ジャン=バティスト・モニエっていう役者なんですけど、そのままイケメンに育っていました。最高です。

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ちなみに『コーラス』に出てくる「ペピノ」というショタもとても可愛いです。

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余談が過ぎる。

とにかく壮大な作品でした。雄大な風景や移りゆく季節によって変わる景色の色彩などが合わさって成り立っているので、舞台ではそのスケール感がどう表現されるんだろう。

出番的には、感覚ですが

ユーリ>>ラーラ>コマロフスキー>>>養父>パーシャ>>>>>>>その他

って感じですかね!
キャストに関しては誰が何の役になっても問題無しのメンツなので、配役発表が楽しみです!



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*1:映画俳優の方も格好良いと思うのですが好みではない

*2:

matome.naver.jp

星組別箱公演『ドクトル・ジバゴ』に向けてお勉強

来年2月に公演される星組の別箱公演『ドクトル・ジバゴ』にめでたく贔屓が出演することになったので、どんなお話かを調べています。映画もいつか観ようかな…とは思っているんですけどまずはインターネットという便利な媒体から拾ってきた情報をここにまとめようと思います。アホなので小説版と映画版の旧版とかリメイク版とかごっちゃにしちゃった…。大まかな感じ、ということで…!
このページはちょこちょこ加筆したり色々していきます。早速、名前がごちゃごちゃに間違えてました。きっとまだある。ラーラとかトーニャとかターニャとかもう〜〜〜〜!!!!

 

ドクトル・ジバゴ

1965年に上映された、アメリカとイタリアによる合作映画。
ロシア革命の渦中に生きた医者ジバゴの、ふたりの女性ラーラとトーニャへの愛を描いた作品。

 

登場人物

ユーリサイド

  • ユーリ・ジバゴ(轟悠
    軍医。母親を病気で亡くし、養父母によって育てられる。医師免許を取ると同時に恋人トーニャと結婚した。詩人としても知られる。

  • トーニャ
    ユーリの養父母の娘でありユーリの恋人。のちにユーリと結婚する。

  • エフグラフ
    ユーリの腹違いの兄。

  • ボリス・カート教授
    コマロフスキーの友人でもあるがユーリの恩師。

  • アレキサンドル・グルメーコ
    ユーリの養父でありトーニャの父。科学者。

  • アンナ・グルメーコ
    ユーリの養母でありトーニャの母。

  • ユーリとトーニャの子ども
    息子と娘が生まれるっぽい?調べます。

ラーラサイド

  • ラーラ(有沙瞳)
    17歳。洋品店を営む母と2人暮らし。

  • アメリア
    ラーラの母親

  • パーシャ(のちにストレーリニコフと改名)
    ロマノフ王朝の帝政打倒の革命に情熱をもやす青年。ラーラと恋人同士。

  • コマロフスキー
    弁護士。ラーラの母親の愛人。ラーラにも関係を迫る。

  • ターニャ(トーニャ・コマローバって書いてるのもあった)
    ユーリとラーラとの間に生まれた娘

  • ターニャ(トーニャ・コマローバ)の恋人
    ラストに、ターニャを迎えに来るためにちょっと出てくる
     

あらすじ

ソビエト連邦の将軍、エフグラフは自分の腹違いの弟で詩人のユーリの娘を探していた。探し当てたのはターニャという労働者。両親をほぼ知らずに育ったターニャに、エフグラフはターニャの両親であるユーリと恋人ラーラの物語を語り始める。

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1897年、ユーリ・ジバゴは母親と暮らしていたが、幼いうちに死別する。ユーリはモスクワに住む父の友人・科学者アレキサンドル・グルメーコと妻アンナに引き取られて育てられることになる。
医学の勉強をするかたわら、ユーリは詩人としても知られるようになる。
ユーリは養父母の娘・トーニャを愛しており、結婚を約束していたが、ある日街中の洋品店で働くラーラの姿を見かけ、ひそかに恋焦がれていくようになる。

美しい娘ラーラは、帝政打倒の革命に情熱を燃やす青年パーシャと恋人の関係を結んでいた。
ラーラの母親アメリアの支援者であり愛人でもある弁護士・コマロフスキーは、母親と関係していながらも娘のラーラにも関係を迫ろうと考えていた。

自分からラーラに気持ちが移ったことを感じながらも、ラーラの母親は生活のためにコマロフスキーとラーラが関係を結ぶことを承諾する。
ラーラもまた、母の心を知っており、コマロフスキーと関係を持ってしまう。
娘やコマロフスキーとの関係に悩んだラーラの母親は自殺を図る。
コマロフスキーは友人で医師のカート教授をラーラの家に呼び出して母親の治療にあたらせる。カート教授は自分の教え子のユーリを同行させたことで、ラーラと逢うことになる。
治療を終えたユーリは、ラーラとコマロフスキーがただならぬ関係にあることを知ってしまう。
このときユーリは、遠い昔、コマロフスキーにより父親が自殺に追いやられたことを思い出す。
翌日、コマロフスキーに嫌気がさしたラーラは、コマロフスキーに別れを告げる。

あるとき、革命軍関連で衝突が起き、パーシャは巻き込まれるも何とか無事に逃れ、ラーラの家に転がり込む。
その際、パーシャはラーラに一丁の銃を預けて去っていった。
やがて来たコマロフスキーは、ラーラに再び関係を持とうと無理矢理迫る。
コマロフスキーは、パーシャとラーラが結婚することを知ると、不純な女に高潔なパーシャは相応しくないと侮辱するのであった。
ラーラは、パーシャから預かっていた銃でコマロフスキーの殺害を考えつく。

クリスマスパーティーで賑わう屋敷で、ラーラはコマロフスキーに向けて銃を撃つが失敗する。コマロフスキーの計らいにより、ラーラは逮捕されずにパーシャと共に屋敷を出る。
その場に居合せたユーリはコマロフスキーの治療にあたるが、ラーラを侮辱するような発言をするコマロフスキーに不快感を覚える。

パーシャはラーラの不貞を許し結婚をする。二人の間には子どもも生まれ、慎ましく生活していた。

1914年、ロシアは第一次世界大戦に突入し、ドイツとの戦争が始まる。
この戦争に負けたロシア帝国は内乱へ発展。皇帝を監禁し、レーニンがモスクワへ入る。

この戦争の際、パーシャは前線へと送られてしまっていた。帰らない夫を探すために、ラーラは看護婦として前線に向かうことにした。そこには、医師として従軍するユーリの姿もあった。
再会を果たした二人はともに負傷者の治療に当たる。
お互い家庭を持っていることを知っていたが、ラーラへの愛をどうすることもできない。
パーシャは戦死したと報告も入り、二人は惹かれ合うようになる。
負傷者が退院し、ラーラも病院を去ることとなった。ユーリはラーラに恋心を伝えようとするが、それをラーラは制止し、二人は別れる。

ロシアは内戦が激しくなり、ユーリはモスクワへと帰郷したが、ロシア革命によって家の様子は一変していた。
ユーリの屋敷には、個人の財産が分配されるようになったため多くの労働者が住み着いており、ユーリたちは貧しい生活を強いられることとなる。
そこにユーリの腹違いの兄で共産党員のエフグラフが現れ、弟の身を案じてベリキノという街への移住を薦める。ベリキノには別荘がある。ユーリたちは家族はベリキノ行きを決意する。

ベリキノに向かう旅の途中、列車が止まってしまい、周辺を散策していたユーリは、別の列車が停まっているのを発見する。
そこでスパイ容疑で捕らえられたユーリは、人々から鬼のように恐れられ、民衆を苦しめていると噂される赤軍のストレーリニコフという将軍と出会う。
この将軍の正体は実は戦死されていたとされたパーシャであった。
革命という大義の前には家庭など塵同然だと冷酷に言い放つストレーリニコフは、革命への狂信以外、何も持たない男となっていた。
このストレーリニコフから、ラーラがユリアティンという、ベリキノから遠くない街にいることを知らされる。
釈放されたユーリと家族はベリキノにたどり着く。

ベリキノに着いたユーリら家族は自給自足でなんとか毎日を過ごす。
ある日、ユリアティンの町へ出かけたユーリはラーラと再会する。
このとき、時代はロシア革命の後。臨時政府は安定せず、赤軍、白軍、パルチザン(遊撃隊)など、政治思想の異なる集団たちによる内乱状態が続いていた。
そんな時代の中、ユーリとラーラは密会を重ねて愛し合うが、罪悪感からユーリはラーラに別れを告げる。

その帰り道、ユーリはパルチザン(遊撃隊)に拉致され、医師として活動に協力することを強制された。
無残な戦いを目にしながら家族を心配したユーリはなんとか脱出する。
なんとかたどり着いた家はもぬけの空で、ユーリの家族はすでにベリキノにいなかった。
ラーラのアパートに向かったユーリは意識を失う。

ラーラの看病で回復したユーリは、トーニャたちがパリへ追放されたことを知る。
ラーラとトーニャは、お互いの立場を知ってしまうこととなり、トーニャはユーリがラーラの元を訪ねることを確信し、想いを託し去ったのであった。


ユーリとラーラは二人で暮らし始める。
ある夜、コマロフスキーが二人の前に現れる。彼は法務大臣となっていた。ユーリとラーラの二人に国外に逃げようと誘いを持ちかけるが、二人はそれを拒否し、ベリキノで生きることを決める。

ラーラと暮らす日々でユーリは創作意欲が復活し、「ラーラ」というラーラへの愛を綴った詩を完成させる。
そこに再びコマロフスキーが現れ、ストレーリニコフの失脚と自殺により妻であるラーラにも危険が迫っていることをユーリに告げる。

ユーリ自身はコマロフスキーの助けを拒否し、ラーラと娘のカーチャだけが街を出ることとなった。ラーラの腹にはユーリの子供が宿っていたためである。
コマロフスキーにラーラを任せることにし、ラーラは極東へと去った。

ユーリはその後、トーニャに逢うためミーシャをたよるが、トーニャを愛していたミーシャにより窘められ断念する。

それから8年後、ユーリは心身ともに衰弱していた。残りの人生を、医師・詩人として誠実に生きていた。
ある日、ラーラと思われる女性を見かけ、その後を必死に追いかけたことがきっかけで、心臓の病により命を落とす。

エフグラフはユーリの葬式でユーリの死を知って駆けつけたラーラと出会い、ユーリが彼女のために綴った詩集を渡して別れる。

ラーラはその後、捕まり強制収容所に収監され、やがて処刑された。

 

調べてみての所感

星組でこれやるのか!(超失礼)
って最初思ったんだけど、出演者一覧を見ると、「あ、絶対大丈夫だな!」感がすごいですね。

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  1. 轟悠(71期)
  2. 白妙なつ(90期)
  3. 天寿光希(91期)
  4. 輝咲玲央(92期)
  5. 瀬稀ゆりと(92期)
  6. 麻央侑希(94期)
  7. 紫りら(94期)
  8. 瀬央ゆりあ(95期)
  9. 白鳥ゆりや(96期)
  10. 朝水りょう(96期)
  11. 有沙瞳(98期)
  12. 天華えま(98期)
  13. 天希ほまれ(98期)
  14. 天路そら(99期)
  15. 小桜ほのか(99期)
  16. 蒼舞咲歩(99期)
  17. 朱紫令真(100期)
  18. 颯香凛(101期)
  19. 夕陽真琴(101期)
  20. 天飛華音(102期)
  21. 都優奈(102期)
  22. 澄華あまね(102期)
  23. 星咲希(102期)
  24. 紘希柚葉(103期)
  25. 瑛美花れな(103期)


轟理事は◯期って書くか悩んだけど一応入れてみました。登場人物がどう考えても少ないので、全部で25名なのは納得なのですが星組のほとんどは中日組なので、何か意図があってのキャスティングなのかなと思いました。しかし全体的に若いなーーーー!天寿光希さんとか瀬央ゆりあさんとか天希ほまれさんとか、ロシア人が似合いそうすぎて。

ヒロインであるラーラは有沙瞳さんが確定してます。男三人相手にするのすごい。
原田先生が舞台ではどういう登場人物にするのかが分かってないのですが、ユーリの兄エフグラフは天寿光希さんかなあ…?
ラーラの母親は白妙なつさんかな。コマロフスキーは誰だろう。母親と娘どっちも頂いてしまうヤベエ奴ですよね。個人的には輝咲玲央さんで観たい(笑)。
パーシャは瀬央ゆりあさんかなぁと思ったりしているんだけど、もっと公演期間が長ければ天華えまさんと役替りでも良いなって思ったりしました。パーシャ、難しそうですが、瀬央さんも天華さんもどっちもやってのけそうなので。
配役予想についてはこれくらいにして、明日友人とオフラインでキャッキャやりたいと思います。何となくのあらすじを調べてみて、めちゃくちゃ楽しみになりました!
色々改編されたりしているみたいですね。ラーラが捕まる前後のシーンとか、結構モノによっては設定が違っていました。原田先生はどうするのかな。

すごく難しそうな題材で、みんなすごく苦労すると思うのですが、きっとこれは良いお芝居を見せてくれそうです。
ミュージカルということで歌も結構ありそうですね。歌が上手い人たちが集められてるし本当に楽しみ〜〜〜!



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感想:星組『ベルリン、わが愛/Bouquet de TAKARAZUKA』大劇場公演

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サイレント映画からトーキーへと移り変わる頃──。
1920年代から30年代にかけて、ハリウッドと並ぶ映画の都として栄華を誇ったドイツ・ベルリンにも、ナチスが暗い影を落とし始めていた。
そんな中、新しい娯楽作品を模索する男達は、ミュージカル映画こそ大衆が求めるものだと確信し、その実現へ向けて邁進していた。
無名の踊り子を抜擢し撮影された映画は大成功を収める。しかし、プロパガンダとして映画を利用しようとするナチスの圧力は強まる一方だった。
理想と現実の狭間で苦悩しながら、映画を愛した彼らが描いたシナリオとは…。

 

ベルリン、わが愛

UFA(ウーファ)という映画会社が『メトロポリス』という映画を作るも、大衆に受け入れられずにUFAは大赤字。そんな中、映画プロデューサーのカウフマン(七海ひろきさん)に助監督であるテオ(紅ゆずるさん)が自分に映画を作らせて欲しいと頼み込む。サイレント映画が主流な中、大衆向けのトーキー映画を作ってヒットさせてみせますというテオの熱意に負けてカウフマンは映画作りを許可する。
のちのテオの恋人となるジル(綺咲愛里さん)を始めとしたキャストも揃って制作した『忘れじの恋』は大ヒット。
UFAの幹部たちの喜びもつかの間、この作品のヒットだけじゃ倒産の危機は変わらない。実業家・フーゲンベルグ(壱城あずささん)に会社を売却しようという話も出る中、彼はナチスと繋がっていることを理由に反対するカウフマン。
一方、フーゲンベルグとナチス宣伝全国指導者ゲッベルス(凪七瑠海さん)も『忘れじの恋』を目にしていた。結局UFAはフーゲンベルグに会社を売却。後にゲッベルスプロパガンダとして政治利用のための映画作りを強要する。
映画で戦うことを決めたテオたちは、制作中にナチス軍から制止されるも強行する。ドイツでの立場が危うくなったテオは、ジルを連れてハリウッドへ旅立つ。

という感じのお話です。結構淡々と進んでいくし単純なストーリーだし何も難しいことは無いので初見でもパニック起こさずに観れるお芝居です。

ただ、個人的には登場人物たちの年齢や時間の流れがいまいち把握しづらかったかな…。テオたちが作った映画『忘れじの恋』がヒットして以降、 ナチス政権が映画界に関わってくるまでどのくらいの年月が経っているのか分からない。
テオたちの見た目も口調も映画作ったときから変わってないし、そもそもテオたちって何歳くらいの設定なのかも分からない。せめてテオにヒゲ生えるとかしてくれたら分かりやすいんだけど… 。

ジルはドイツを代表する有名女優になっているみたいなんだけど、 『忘れじの恋』がヒットしてからすぐにスターダムに駆け上がってそんなに時間が経っていないのか、それとも3年くらいは経ってるのか分からない。ジルが有名女優になることについては、年月が経ってなくても不思議ではないんだけど、映画出演を拒んだ当時人気ベテラン俳優のヴィクトール・ライマン(天寿光希さん)が「今は落ち目の俳優だ」って言ってて、そんな1年そこらで落ち目の俳優、にはならないのでは?って思うから何年か経ったんだろうけど、 でもみんな変わってないしーーー!?…な感じです。

というわけで個人的にお気に入りのシーンやこまごましたことを書いていきます。

お気に入りのシーン

  • メトロポリスのワールドプレミア試写会シーン
    お芝居のオープニングなのですが、幕が上がると、星組生が全員ひな壇に座っていてうれしい。

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    ナチス側のフーゲンベルグとゲッベルスも振り付けちゃんとやってるのso cute…♡『メトロポリス』の上映が始まってから観客が映画を観ている様子、映画の出来の悪さに怒って散り散りに解散するまではみんなこの状態。



    出だしに冒頭シーンが流れます。

  • ロルフの咳払い
    次回出演する映画がポシャってもう映画界から足を洗うんだーって酔っ払ってる若手俳優のロルフ(瀬央ゆりあさん)がカフェに現れるんです。正直「若手俳優」っていう時点で贔屓目で見てしまいます。
    そんなロルフは、昔から声だけはいいんだ!と歌声を披露するのですが、そのときに「ゔん゙↑↑↑!!」って咳払いするんだけど、そのときのロルフがめちゃくちゃ面白くて毎回笑いました。ずるい。あれはずるい。エンドレスリピートしていたい。
    ちなみにふつうのドイツの若者な格好や、貴族の格好、王様の格好の瀬央さんを観ることが出来る。しかも大きいスクリーンに映し出された瀬央さんを眺めることが出来る。これはすごい。原田先生はこの大きいスクリーンに瀬央さんを映したかったんだなって思いました。納得の配役です。

  • 長身男役の女装
    ジョセフィン・ベーカーのレビューシーン、ついに星組が誇る超美形若手男役の拓斗れいがレビューガールとして借り出されましたね!!!美しすぎました。

  • 方針は一緒でも女の好みは分かれるナチスサイドメンズ
    テオたちが制作した『忘れじの恋』にはヒロイン役にレーニ(音波みのりさん)、花売り役にジル(綺咲愛里さん)のふたりの女性キャストが居るんだけど、大実業家のフーゲンベルグとナチス宣伝全国指導者ゲッベルスが『忘れじの恋』を観たときに、見事にレーニ派かジル派かに分かれてて、方針は一緒なのに女の趣味全然違って何か笑ってしまった…。ちなみにわたしは…ジル派!あーちゃん可愛いんだもんね!

  • 幹部集会が完全にアウトレ◯ジ
    UFAの幹部が集まって経営について話し合うシーンがあるのですが、星組男役上級生×スーツの組み合わせのせいで完全にアウ◯レイジでした。星組でアウトレ◯ジ演って欲しいわたしは歓喜しました。

  • タイミングが良すぎる執事
    ゲッベルスがジルを自分の執務室に呼び出して迫るシーンがあるのですが、ジルをデスクに押し倒して服を脱がせようとしたところで、あまりにも良すぎるタイミングで執事(朝水りょうさん)が「旦那様ー!」ってテオと一緒に飛び込んで来るんですけど、いや、ちょっと、そこで入ってくるとか!ってなって気まずさがすごい。朝水さんはどうやら同期にやり取り聞いてただろと言われているようです(笑)。

  • ナチス親衛隊による銀橋パフォーマンス
    本当に終盤のシーンなのですが、テオたちが抵抗しながら映画を撮影している場面で、ナチスの親衛隊が客席から走ってきて銀橋に上がって踊るんですけど、格好良いです!
    銀橋パフォーマンス以外にも、ナチス親衛隊が出てくるシーンはダンスの振り付けも格好良くて大好きです。

  • 楽曲が素敵
    全編を通して言えることなのですが、楽曲が好き。メトロポリス上映シーンで歌う「ワールドプレミア」、テオが歌う「光と影の中に」、ジョセフィン・ベーカーがレビューで歌う「魅惑の花」、エーリッヒがルイーゼロッテを想って歌う「Ich liebe dich」とか、メロディーラインが綺麗だし気に入りました。

 

印象に残った役者

  • 壱城あずささん/アルフレート・フーゲンベルグ
    スカピンのデュハーストを演じられてから、落ち着きつつも熱さを持った男性としてのお芝居がとても似合うな~と思っていて、 阿弖流為での鮮麻呂のあまりのハマりっぷりと熱演が忘れられなくて、 今回はどんなお芝居をするんだろうなと楽しみにしていました。
    今回もとても素敵で、 渋くて狡猾そうな権力者を落ち着きつつも熱演されていました。こんなお芝居が出来る人だったのかと思うと退団されてしまうことを惜しく感じてしまいました。

  • 天寿光希さん/ヴィクトール・ライマン
    その渋い声どこからどうやって出してんの!っていう(笑)。 元々ハスキーボイスめではありますが、いつもよりずっと渋いお声のイケオジでした。
    若手俳優が主演の映画に出るなんて!と出演を断ったりと、一見プライドが高そうなのですが、性格的なプライドの高さというよりは、映画屋・成り上がってきた役者としてのプライドの高さであることがお芝居の様子から窺えました。付け髭に見えなかったな~直に生えてるよ、あの渋さは(笑)。

  • 夏樹れいさん/ジョセフィン・ベーカー
    レビューシーンで歌声を堪能できます。こういう歌い方出来るんだあ、すごいなあって尊敬しちゃいました。ジョセフィン・ベーカーは、その実力が高く評価された実在の人物ですが、一方、黒人差別に非常に苦しめられるという女性。
    お芝居の中でも、主人公のテオに映画出演を頼まれるも黒人だからと断っていました。「私は舞台の上で戦い続けたいの。たった一人の黒人として。」と意志の強い目をして言っている所が夏樹さんにぴったりで大好きなシーンです。
    夏樹さんも今作で退団してしまいます。あまりにも惜しい人材が去ってしまうんですよね。お芝居のラストシーンで、センター寄りの下手側で車掌さんとして出演されているんですけど、出発時間になると笛を鳴らして敬礼して車輌に乗り込んで姿が見えなくなるんです。その様子を見て毎回泣きました。本当に素敵な舞台人です。

  • 凪七瑠海さん/ ヨーゼフ・ゲッベルス
    専科に移られてからの初のご出演、おめでとうございます!(届かぬお祝い)カチャさんをご贔屓にされているファンの方もおめでとうございます! (届かぬお祝い)
    専科の方が出演すると嬉しいって思う公演もあるけれど、「この役だったら組子が十分に出来るんじゃないかな」って思ってしまう公演もあって、専科って扱いが難しそうだな…と思うのですが、カチャさんは星組の不得意な部分、弱い部分を補って舞台のクオリティの底上げをはかるという専科としての役割を完璧に果たしてくださっているような感じがしました。ウエメセな表現になってしまって申し訳ないですが!

 

Bouquet de TAKARAZUKA

お芝居もショーも、初めて観たとき、とても退屈に感じてしまって終わったあとしんどいですって東京組の友人に泣きの報告をしました。2回目以降はなんとなく慣れてきた感が…。

わたしはあまり昔の曲とかよく存じ上げなくて、目玉とされているセ・マニフィークは今回初めて聴く曲でしたし、感覚的には現代風の新しいショー(お芝居もですが)を観たいと思っているタイプなので「古き良き宝塚のクラシカルなレビューです、懐かしいでしょ!」という今回のコンセプトに最初は感覚が合わなかったのかもしれないです。
セ・マニフィークは初めて聴きましたが良い曲ですね。

好きな場面は、中詰め後の瀬央っち(瀬央ゆりあさん)、しどりゅー(紫藤りゅうさん)、ぴーすけさん(天華えまさん)のトリオが銀橋渡りする「サ・セ・ラムール」ですね!格好良いんですよ…瀬央っちが…!
あと新人公演主演とか経験詰んでる御蔭か、やたらと落ち着いていて貫禄さえも感じるぴーすけさんが、好きです!

カチャさんが歌う「花夢幻」も大好きです。カチャさんは、セリフも歌も発声が、上手く言えないのですが舞台用の発声みたいな印象を受けて、とても聞きやすくて耳触りが良かったです。
専科に移った際、ニューヨークに留学していたようなのでそのときに習得したスキルを満を持して発揮してくださった感じなのかな…。

男役の群舞が無いことは前情報で聞いてて残念に思っていたのですが、代わりになる男女の群舞っぽい場面があって、そのときの曲が格好良くて好きです。ロケットは102期生の奏碧タケルくんをよく観るようにしてます。

今回のショーは本来ならば琴ちゃん(礼真琴さん)が今まで担っていた歌の量をカチャさん(凪七瑠海さん)が少し負担しているような印象を受けました。
礼さんは二番手なので当然なのかもしれないですが、他の組の95期と比べて琴ちゃんに結構負担かかってるよな〜と思っていたので、今回くらいの配分は観ていて安心できました。

 

さいごに

今回の舞台は、星組オンリーやトップコンビのファンというタイプは大丈夫だと思うのですが、他の組のお芝居やショーも観ている方の中には、正直微妙だと感じるかもしれません。というのもわたしがそうなので…。贔屓や好きな役者が居るので観るけど居なかったら観てないと思います。ごめんなさい。

「ベルリン、わが愛」は、今の星組が出来るお芝居、いわば星組自体に当て書きしたような作品のように感じました。原田先生の「美しい人間たちを美しく魅せるために正しい役割を与えて正しい所で正しく使って美しい舞台にしたい」というこだわりもうかがえる舞台でした。

 

ベルリン、わが愛
作・演出 ▶ 原田諒
Bouquet de TAKARAZUKA
作・演出 ▶ 酒井澄夫

公  演 ▶ 2017/9/29〜11/6
劇  場 ▶ 宝塚大劇場



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朝水りょうさんお茶飲み会(お茶会)レポ/ベルリン、わが愛(大劇場)

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ムラ遠征の際に、ご贔屓である朝水りょうさんのお茶飲み会(お茶会)に参加してまいりました。
ありがたいことに、より詳しいレポはこちらのブログで書いてくださっているので、このエントリーではお話されていたことのメモを残すだけにとどめておきます。朝水さんの喋り方すごく可愛いので、ニュアンス的にこんな感じだったって覚えてるのはニュアンス似せてます。


ベルリン、わが愛

  • 映画を観に来ている客の設定
    冒頭の『メトロポリス』という映画を観るシーンは、星組生の全員が出ている。全員が一度に出るのは珍しい。座席がすごい狭くてぎゅうぎゅうなんです。
    紫りらちゃんとはカップルの設定。自分は映画には興味がなくて、りらちゃんが映画好きで誘われてやってきたという状況。
    メトロポリスが意味不明で気持ち悪くて怒って捌けるんだけど、演出家の指示でりらちゃんとは同時に捌けることは出来なかった。
    メトロポリス、観たことある?なんかね、気持ち悪いの。奥の方から何かが来て、なんだ?って前のめりになって観るんだけど、だんだん怪獣みたいなのが近づいて来て口をぐわって開けるからウワッ!ってビックリした演技をみんなしてるんです。

  • 新聞記者としての自分の設定
    同じ記者である漣レイラさんがいた会社に元々いて、先輩後輩の仲だった。そのあと自分がその会社を離れて別の会社にいる。
    先輩(漣さん)とは「久し振り!」とか話してるんだけど、先輩が自分のことを覚えてないテイの芝居をしてきたりする。
    アルベルトって名前を自分で付けているんだけど、「えー、あー?(誰だっけ?)」みたいな態度を先輩がしてくるから、「アルベルトですよおアルベルト!」って言っても「あ〜〜アルベロベロね!ひさしぶりぃ」とか言って来て、「全然覚えてないじゃん!」みたいな。そういうやり取りを日々やってる。
    あとは、ジョセフィン・ベーカーに渡すための自分の電話番号を記者ノートに書いてある。本当に自分(朝水さん)の。で、先輩に「これ、自分のっすよ」って見せたりしてる。
    先輩は前からジョセフィン・ベーカーのファンだったんだけど、それに感化されて自分も…みたいな感じでジョセフィン・ベーカーにハマっている。

  • 執事としての設定
    執事としての名前はアダムと付けている。
    ゲッベルス(凪七さん)の執務室のシーンで、コンコンってドアをノックしてドアを開けるんだけど、ドアが内側に開くから最初は開けるだけで舞台上に姿が見える演出じゃなくて、出れないんだー…って思ってたら、紅さんが執務室の中に入るように演出家の人に言ってくれて、執務室の中に入れるようになった。
    2回目に執務室に入るシーンは、ゲッベルスがジル(綺咲さん)を押し倒すタイミングで旦那様!って入って行くんだけど、同期みんなに「やり取り聞いてたでしょ!?」みたいな感じのことを言われる(入ってくるタイミングが良すぎて)。
    執事はセリフが無いんだけどずっと舞台上に居るから、表情(態度)だけでお芝居をしていて、感情を動かしているのを表に出すというのが難しいので、より上手く表現できるように毎公演神経を使っている。
    ちなみに元々ナチスの親衛隊をしていたんだけど、優秀だったのが認められてゲッベルスの執事になった。

  • 親衛隊としての設定
    親衛隊はダンスをとにかく揃えろと言われていて、カチッとした踊りをしている。最初こんなに踊ると思ってなかったです。
    銀橋で踊るんだけど怖いです。稽古場ではここが銀橋って頭に入れて練習してるけど、実際は後ろ前がない状態だからターンするときとか緊張する。上手の花道に行くときに、下級生がオケに落ちそうになっててドキドキしたことがある。

Bouquet de TAKARAZUKA

  • プロローグの衣装
    プロローグは花束みたいな衣装で綺麗ですよね。新しく作ったお衣装なんです。娘役のドレスは1人につき120個のお花がついてます。カチャさんか壱城さんに、何個だと思います?って聞いたら「20個」って言われて、「いやいやあと100個足りないです」って話をした。男役は何個ついてるか分からない。よく舞台上にお花が落ちてて、誰かしら(回収して)お花屋さんになってる。

  • ピギャールのシーン
    ダンスはがんばって天寿さんと壱城さんについていってる。覚えた振り付けと左右反対のダンスをするのは難しい。
    (髪の毛が花輪くんみたいなんだけど)最初は普通だったんだけど最近は髪型で遊んでる。
    ひろきさんが出てくるシーンは本当は捌けることになっていたんだけど、お稽古の最後の方で、やっぱり出ましょうって変更になった。ひろきさんたちが演技で揉めてるのを知ってるけど知らないフリをしている。
    ワゴンでお花売ってる星蘭ひとみちゃんと絡むんだけど、演出家から「担当は朝水で」って直接指名された。星蘭と絡む担当は朝水。担当らしいです。チャラい感じでやってます。

  • 中詰め
    中詰めが早い段階から始まって、結構長いんですよね。懐かしいナンバーが多くて。衣装が統一されてないのが珍しいですよね。

  • スパニッシュのシーン
    今回のショーは早替えが無いんだけど、唯一あるのがスパニッシュのシーン。あせあせしてたんだけど、最近は余裕になってきた。ダンスの合間に仲間と話す時間があるんだけど、その時間が終わって踊らなきゃって直前でひろ香さんが「あのさ、あれさ!」みたいなこと言ってきて「なに!なに!」って聞いても「あ〜あれだよ!」っていつまでも教えてくれないまま踊って、スパニッシュの場面が終わったあと裏でめちゃくちゃ笑ってる。そして今も教えてもらってない。
    焚き火があるんだけど、ひろ香さん(だったかな…)が「あっついよ〜」とか言うから「そんなとこにいるからだよ」って話をしてる 。
    今回、リフトしてるんだけど、あのスタイルのリフトは初めて。腰の骨にぴったりハマるとこがあるんだけど、毎回ハマるわけじゃない。ハマらなくても出来るからいいんだけど。リフト相手の小桜ほのかちゃんがハマらないと謝ってくるんだけど「大丈夫、絶対持ち上げるから」って言ってます。

オーム・シャンティ・オーム(夏の別箱公演)

  • まさかインドになるとは…って感じだった。再演モノは再演モノをやるというプレッシャーがあるが、楽しかった。

  • ムケーシュの部屋は、呼ばれると思ってなかったのでびっくりした。でも、ひろきさんが演じていたムケーシュとミッタルは裏で繋がってますからね!

  • 振り付けの先生も、いつ選ばれるかなーって思ってたんですけど…踊ったりハリッパとか恥ずかしくて出来ないじゃないですか。だから「恥ずかしくがらなくていいんですよ」って言ったんですけど、麻央侑希さんが未だにそれでめちゃくちゃいじってくる。すごいカッコつけたバージョンで真似してくる。そんな言い方してないです!って言ってるのに(笑)。もう何ヶ月経ってるんだって感じなんですけど、麻央さんが真似するとみんな真似してくるんですよぉ。

質問コーナー

  • 休日の過ごし方は?
    結構朝早く起きて、掃除機かけます。そのあと、マッサージに行ったりしてメンテナンスしたり、梅田に買い物行ったりして無駄なもの買っちゃったり…

  • スーツのネクタイは自分で選べるの?
    ネクタイ単品ってことはないけど、衣装一式かな。上級生から選ぶから…下級生は残ったものを着ます。前まではそうでした。

  • 盆栽キットは開けましたか?
    盆栽キットね!前に梅田でね、自分で盆栽育てられるキットを買ったの。霧吹きとかで水をやったりするやつね。買ったんだけど、開けてません!!!どこにあるかも分からない…。母親がたまに家に来るじゃないですか。そのときに盆栽キット探し当てて、これ捨てる?とか聞いてくるんだけど、「欲しくて買ったんだから捨てないで!」って言ってる。

10問クイズ

Q1. ハロウィンで仮装するならドラキュラ?チャッキー?
A1. チャッキー!

Q2. 食べるならたこ焼き?明石焼き
A2. たこやき

Q3. たこ焼きはひたすら焼く?ひたすら食べる?
A3. ひたすら焼く。こないだ拓斗の家でタコパした。

Q4. 朝起きる時、ふとんでうだうだ?パッと起きる?
A4. パッと起きる。

Q5. ペンちゃん(ペットのハムスター)の誕生日は10月?11月?
A5. 10月

Q6. 好きなお菓子はミシェルバッハのクッキー?エシレ?
A6. ミシェルバッハのクッキー。もうだーいすきなんですよー!

Q7. カレーを食べるならサフラン?ナン?
A7. ナン

Q8. 雑誌を読むなら?「関西ウォーカー」「an・an」どっち?
A8. 関西ウォーカー

Q9. 今夜は洋食?和食?
A9. 和食

Q10. 噛まずに言えるのは?「神アニメ」「しつじしばひつじ」
A10. どっちも噛まずに言えたのでどっちも正解。朝水さん「すごくない?!」


お話されていたこととかはこんな感じでしょうか。冒頭で紹介したブログと併せるとほぼ完璧なのでは…?!

朝水さんはファンに対してとても物腰が柔らかく本当に優しい人なんです〜!他の方にも言えることですが、舞台人は舞台の上に立っているだけでも良い、とわたしは思ってはいるんですけど、こうしてファンと交流する機会を設けて楽しませてくださるということに感謝の気持ちでいっぱいです。今回もとても楽しい時間を過ごせました!

感想:舞台『オーファンズ(2017)』

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フィラデルフィアの廃屋で暮らすトリート(細貝圭)とフィリップ(佐藤祐基)の孤児兄弟は、凶暴な性格の兄トリートが臆病な弟フィリップを外界に出さずに支配し、トリートの稼ぎだけで生活をしていた。
そこに、やくざ者のハロルド(加藤虎ノ介)が迷い込んできて、彼もまた孤児だったことから、3人に疑似家族のような日々が訪れる。
ハロルドはかつて自分がされたことを返すかのように、若い二人にさまざま事を教えていく。フィリップの中でトリートの存在は少しずつ薄れていき、やがてトリートは孤独感にさいなまれてしまう。


孤児としてふたりきりで生きてきたフィリップ兄弟は、親も居なくて学もなくて、頼れる大人も周りには居ない状態は過酷な環境で生きてきたと思うけど、状況を打破するにも、そのための知恵やお金や周りの協力が得られないから、ずっと同じ環境で生きるしかなくて。

トリートは弟のために盗みを働いて生計を立てていて、兄のおかげで生きることが出来ているようで、でも見ていると兄が弟にめちゃくちゃ依存してるのが分かりやすく表現されていてよかった。弟のフィリップよりもはるかに幼児性が高い…高身長の大人で幼児性が高いとかおっかないですよね。
何も知らなくて何も出来ない弟が自分のそばから離れることはないと思って横暴に振る舞ってるけど、弟に変化が起きないことを毎回試してるようにも見えた。変化が起きないことで安心を得る、みたいな。自分の知らない弟を極端に恐れていたのがとても印象的で、大きな声を上げて怒鳴って乱暴に振る舞う姿が痛々しいし子どもっぽいし、お兄ちゃんであるトリートが三人の中でいちばん生きづらそう。

トリートは現代風で言うと、モラルハラスメントに近いのかなと思う。
フィリップはそんな兄を受け入れてくれる優しい弟ではあるけど、本当は優しいだけではなくて、無知だから受け入れてるだけであって、本質的にはハロルドの言う通り聡明な人だと思うので…本当はハロルドに逢うよりも前からこの状況がおかしいことは感覚レベルでは感じていて薄々分かってたけど、きっかけと知識が無くてトリートの言うことをただ聞くしかなかったのかなって。トリートに隠れて文字の勉強をしているところから、何となくそう思った。
ハロルドから生きていく上で大切な知識をひとつひとつ得て、実際に自分の身体で体験していって、自分の住んでいる家の住所も分かって、自我が芽生えて自分の頭で考えることが出来るようになって、やっと「何も教えてくれなかった、ひどい!」って思って言えるようになった姿を見て、正直ホッとした。

トリートはこんなクソみたいな生活から打破したいとどこかで思ってて、フィリップは自分の頭で行動したいとどこかで思ってて、でもきっかけが無くて何も変わらない日々だったけど、突然現れたハロルドという存在がきっかけで動きだしたわけだけど、ハロルドが現れなかったらずっとこのままだったのかな~。

このままじゃなくても、フィリップが兄からの束縛をおかしいと思って自己主張できるようになるまでには ハロルドが居ると居ないじゃ全然かかる時間が違うと思うので、ハロルドが現れてくれて良かった。

ハロルドのことがすごく好き…でもこの手のタイプは死んじゃうんだろうなって思ってたから、 やっぱり死んじゃってすごく悲しかった…。
同じ孤児ってだけで何でこんなに愛情を注いでくれるのこのイケオジは…!自分の生い立ちを重ねるにしても優しすぎるから!
自分が得た知識とか経験を他人に共有するのって一種の愛だと思ってるから、愛情豊かなイケオジだなって…
ハロルドはハロルドで人間関係は希薄で孤独な人だと思うので、トリートとフィリップと疑似家族のように暮らすことで自分がちょっと欲しいと思っていただろう濃いめの人間関係を築くことが出来て幸せだったんじゃないかな…
きっとロクな死に方はしないだろうってハロルドは思ってたと思うけど、裏路地で死に絶えるじゃなくて、大切に思ってるトリートとフィリップと暮らす家で、ふたりの前で死ねて良かった。

フィリップはハロルドからの愛情を素直に受け入れることが出来ていたけど、トリートは最後まで受け入れることが出来なくて、ハロルドの死の間際に「おいで」って言ってもらえたのに行けなくて死んでから甘えて縋っていたのが切なかった。
死なないでくれって泣きわめいるトリートを抱きしめてあげたフィリップの成長に泣きました…
生活を支えていたのはお兄ちゃんだったけど、精神的にお兄ちゃんを支えていたのは弟の方だったよね。求めていた愛情深い大人が現れたと思ったのに失うことになって本当に可哀想なのだけど、きっと前よりは違う生き方を模索できるだけの知恵を得て愛情を注がれるという経験を得たので、兄弟は大丈夫だろうなって…ずびずび

東京初日に観に行ったんだけど、終演後に細貝さんが舞台写真配ってお見送りしてくれるという催しがあって、さっきまで死なないでくれって泣きわめいていた人に何てことをさせるんだ…と思いつつちゃっかりお写真頂いてお見送りしてもらいました…。
細貝さんもお客さんもさっきまで泣いてました!って目をしていたので若干、ハロルドの葬式の受付みたいでした(コラーーー)。

終わってからもしんどいなぁ…ってなったんだけど、フィリップがバスに乗ってた黒人の真似してたシーンがめちゃくちゃ面白かったので、そのシーンを思い出したりして耐えました。よくあれ他の二人笑わなかったなすごいわ。

日程的に厳しいなーって感じだったんだけど無理矢理予定入れて観に行けて本当によかった。 出演されていた三人の役者さん本当に熱演で素晴らしかったです。

観たことがある役者は細貝さんだけだったんだけど、武士の役とかミステリアスな犯罪者とかしか観たことないし、舞台以外だと面白かったりニコニコしてる印象があったので、ここまで脆い人間を演じている姿を初めて観て、しかもエンタメ色というよりは演劇色の方が強い舞台だったので新鮮でした。めちゃくちゃ良かったのでこういう舞台にたくさん出て欲しい。
そしてハロルドに惚れたので再演があればまた観に行きたいです。

オーファンズ
上演台本・演出 ▶ マキノノゾミ

兵庫公演 ▶ 2017/10/14〜15
劇  場 ▶ 兵庫県立芸術文化センター
東京公演 ▶ 2017/10/19〜22
劇  場 ▶草月ホール

感想:花組『ハンナのお花屋さん Hanna’s Florist』

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ロンドンの閑静な高級住宅地ハムステッドヒース、その一角に一軒の花屋があった。
デンマーク人のフラワーアーティスト、クリス・ヨハンソンが営むその店の名は、“Hanna's Florist(ハンナのお花屋さん)”。
自然との調和に包まれ、地元の人達からも愛されるその店には、心癒される穏やかな時間が流れていた。
ところが、ある日、クリスの作品が栄誉あるフラワーコンペティションに入賞したことで、大きなビジネスチャンスが訪れる。
トップフローリストとしての成功を目指すか、それとも・・・?
そんな時、クリスは、仕事を求めて東欧からやって来たミアと出会い、次第に、自分の心の声に気付かされていく。
故郷デンマークの森への郷愁、そして“Hanna's Florist”という店名に込められた想いとは・・?
世界中から人が集まる街ロンドン、そして自然豊かな北欧を舞台に、21世紀を生きる我々が求める本当の幸せ、人生の豊かさを問いかけるオリジナルミュージカル。

 

ガッツリネタバレします。

クリスとミア

自分の生まれた国、育った国、生きてきた文化という「ルーツ」を主軸に生活を送れているか送れていないかというので生きやすさや生きづらさが違うのかな、ということと、生きていく中で心の拠り所を何にするのかを描いているのかな、というのが全体を通して観て感じたこと。

主人公のクリスは、生まれ故郷であるデンマークに自分のルーツがあって、デンマークに生活の地盤を築くことが一番自分らしく生きることが出来ると思っていて、本当はずっとデンマークで生きていきたかったのかもしれない。

でも父親との確執(とまではいかないけれど)とかあって、ロンドンにひとりでやってきて、お店を開いてがむしゃらに頑張って自分なりの生活基盤を築いて今に至っている。

「ロンドンのいい所は居場所がここじゃないって思っても生活できることだ」

みたいな的なセリフがあったのだけど、ロンドンに生活の根を張ってはいるものの、心の拠り所としては認めていないのかなと。

ミアはクロアチアからロンドンに新しい人生を求めに来たわけだけど、ロンドンの都会さに右往左往してそれでも頑張ってたけど、同僚のセルビア人に意地悪されたり移民局に追われてしまったりと苦労が絶えない女性。
職を求めてた女性との会話で住む場所すら無いことも分かったときはなんとも言えなかった。
驚くほどに出演シーンが少ないのだけど、出ていない間、生きるために必死だったのだろうということは想像に容易い。

ミアが住んでいたクロアチアは独立に際して戦闘があったりと大変だったみたい。
今回の話とは関係ないけど、フランツカフカという作家が居るのだけど、彼もプラハという場所にユダヤ人として生まれて、国によるアンデンティティの確立に苦しんでた、そのことが作風に表れているっていうのを勉強したことがある。
フランツカフカが生まれたのもプラハ、東欧だったので、ミアを見たときに思い出した。

クリスがミアに優しくするほど、ミアはその優しさで自分が壊れてしまいそうだと拒絶するのだけど、甘えちゃいなよ!って背中押したかった。
自分は幸せになってはいけないんだってクリスに言ってたけど、幸せになっていいんだよお…
でもミアは自分のせいで大事な弟を失ったと思っているから、幸せになることを拒絶する気持ちがすごい分かる。
わたしは弟が大好きだからめっちゃ分かる!自分と弟どちらかしか助からないなら絶対弟に助かって欲しいと思ってるしミアの身に起きたことに自分を投影したらしんどかった。あれだけミアがずっと罪の意識を抱えて生きて来たことには共感するんだよね。
ミアと弟はすごく仲が良い姉弟だったんだと思う。
わたしは自分に置き換えたらそりゃそうなるわな…って思ったけどお芝居的に観る人が観たら、いつまでもうじうじしててイライラするケースもあるかもなぁ。

クリスが時間を掛けてミアの心を解きほぐしていく過程が、クリスがブログに載せるデンマークの写真や実際のクリスの服とかで表現されてたけど、結構ねばったな!?笑
イケメンだから許されるけどふつうだったらストーカー気質じゃない!?「恋人には1時間に1回メールしちゃダメですよ」とか従業員に言われてたけど、ヤバいwwwwwwwってなったから!
いやでもよく頑張ったよクリス。ミアが自分も幸せになりたいって思えるようになるには時間が必要だったと思う。クリスとミアが結ばれて本当に良かった…

 

クリスの父親アベル

クリスが居る家庭と本拠地での家庭の2つを並行するっていう、まぁ道徳的にはどうなの!?って感じもしたしそういう人間は大嫌いなんだけどアベルを演じてる芹香斗亜さんが最高にカッコイイので許した…イケメンは正義

特筆すべきところは、大人になったクリスとアベルがやり取りをするシーンが一切無いこと。アベルの臨終間際にデンマークに帰ってきたクリスの顔を見て、クリスを待っていたかのように息を引き取ったということがクリスの叔父のセリフから分かるけど、臨終のシーンは無い。葬儀が終わって、叔父からアベルの真実が語られる。

アベルのことを語るにはアベルのことをガッツリネタバレしてしまいたいのでします。

  • アベルデンマークの名門貴族の息子で、親は会社を経営していた。

  • 本当に愛すことができると思ったハンナ(クリスの母)と田舎で恋に落ちて子ども(クリス)を授かったけど、アベルはどうしてもコペンハーゲンで生きていかなければいけない。ハンナはコペンハーゲンでの暮らしは難しいと思い拒絶。
    アベルは許嫁と結婚して2つの家庭を行き来することにした

  • アベル父親から会社を継いだとき経営が傾いてたから非情な判断を下したりしてたんだけど、解雇された従業員の逆恨みで、ハンナの両親たちがたまに働いてた工場に逆恨みで放火されて、助けに行ったハンナが死んでしまう。
    そこからアベルは自分を一切殺して生きていくことにした。

  • 実はアベルは孤児だった。夫婦の間に子どもが出来なくてアベルを引き取って跡取りとして育てたのだけど、10年以上経ってから実の子が出来てしまった。
    でも両親は分け隔てなくアベルを育てたしみんなアベルが跡取りでいいと思ってたのだけど、アベルは血の繋がっていないのに継いでいいのか悩んでいた。
    アベルは育ててくれた両親の恩に報いるためにも会社を継いで経営を立て直すことを決めた。それがハンナを失うことにも繋がってしまった。


アベルのルーツは上記のような感じなのだけど、いやアベルしんどすぎるのでは?!
会社を継ぐということを選ばずにハンナと田舎で生きる決心をしていたらハンナを失わずに、そしてアベル自身も自分らしく生きることが出来たと思うけど、その状況なら普通のひとは現実的な方を選ぶ。会社継ぐよね。アベルは当然のことをしたし、何もかも捨ててハンナとクリスと田舎で生きる方法を選ぶのは、大人としては無しかなって…

クリスでは父親のことを許せないしどう接していいか分からなくて、会社を継ぐという道を選ばずにロンドンで生きることにしてデンマークには全然帰らなかったんだけど、結局アベルが危ないという知らせが入ってデンマークに帰って、そこで叔父に父親の真実を教えてもらえて、父親の死によって父親の出自も含めて自分のルーツを再確認して新たに生きる道を拓けたので、そこは良かったね…って本当に思いました。

ハンナを失ったあと、アベルがどのように人が変わって生きていたのかが全く出てこない。とにかくミアとアベルの出演シーンが少ないので想像で補完する必要があったので、ほんの少しでいいから公式として描いて欲しかったな…想像しろってことかな…

公演解説に「ハートウォーミングなひととき」とか書いてあったけど、そんなにハートウォーミングか!?
わたしはちょっとシリアスめに観てしまってて、冒頭にも書いたけど、「生きる場所として根を張りたい場所はここではない」と思いながらも懸命にその環境で生きるひとたちの奮闘記というか…そんな感じで結構真剣に観ちゃったよ!ちょいちょいハートウォーミングではあったけど。送別会のシーンとかめっちゃ笑いました…飛龍つかさが最高

 

個人的に微妙だった点

舞台のタイトルで損してない?『ハンナのお花屋さん』ってさ…惹かれなくない?ヅカオタを対象にするとなると、もっと派手でウオオオみたいなやつ求められがちじゃない…?ただでさえほんかわしてますよお〜花屋ですよ〜って題材だとあまりヅカオタの需要に合ってないので少しでもよりキャッチーなタイトルにした方が良かったのでは…
わたしは寝ちゃうかな…つまんなそうだけどキキちゃん花組として最後だからなと思ってチケット取って観てみたら思っていたよりずっと面白くて感動したから良かったけどタイトルでつまらなそうって思って現場流したひと居ると思う。

あとこれ言ったら元も子もないけど、母親の名前を店の名前につけるのしんどーーー!マザコン無理すぎる!母親のハンナもめちゃくちゃ電波で出て来るとしんどかった!アベルと結ばれて妊娠したときに「コウノトリが運んできてくれたのね」とか言ってて「ハァ?」ってなったから!電波無理です!ネモ船長以外の電波は受け付けません!

そして時折出てくる意識高い高ーい発言がしんどい。花屋に併設されてるカフェで新しいコーヒー豆の試飲したときに「オーガニックの味がする」とか言っててヒェ〜〜〜ってなったし、しかもそのコーヒー豆がフェアトレードのものだみたいなこと言ってて意識高い無理!ってなって終盤にもフェアトレードフェアトレード言ってて黙って欲しかったです。

 役者の感想

クリス役:明日海りお

初めて明日海さんのことカッコイイ男のひととして見てしまった…!今までただひたすらに綺麗なひと、美しいひとって見ててあまり男性としての性的さを感じていなかったというか、本当に中性的な妖精さんとして見てたのだけど、めっちゃカッコイイの明日海店長!
白シャツにエプロンとか眼鏡姿とかデニム姿とか喪服とか(不謹慎だけど許して)色々ありがとー!最高だった。
本当にイケメンで…いちいちイケメンじゃない?ミアに花束あげたときもだし図書館でミアを助けたときもそうだし、雨でずぶ濡れになってるミアを見つけて逃げようとしたミアの腕掴んで引き留めたりとか!あと従業員の元バレリーナに踊らせて気持ちを解いてあげたときとか、すごい優しい顔してて。
植田先生による私が考えた最高にカッコイイ明日海りお!ありがとうございます!

ミア:仙名彩世

ゆきちゃんは何をやらせても上手だから…とは言えどもわたしが観てきたゆきちゃんの姿って大体おばさまとかそういう役で、ミアみたいな若い女性は珍しくて。すごく可愛かった!
1幕での歌に泣かされてしまった…『金色の砂漠』でオラオラロケットやってる人とは別人みたいだから本当…懸命に生きる姿がとても良かったです。

アベル役:芹香斗亜

上手すぎてしんどかった。まず佇まいが、溢れる包容力やらなんやらで立ってるだけで素敵なのだけど、絶望して崩れ落ちて慟哭するシーンとか歌い上げるシーンとか本当に素晴らしくて、何て素敵な舞台人なんだろうと思った。わたしはこれからもキキちゃんという舞台人を見ていたいと思いました。
キキちゃん、本当にモブレベルかってくらい出てこないのでファンの人的には微妙かもなのだけど、花組としてのキキちゃんのラスト、素晴らしい歌い上げとお芝居でした。

その他

綺城ひかりさん、飛龍つかささん、帆純まひろさんが働いてる花屋って何なの?毎日行くでしょ。花で破産するから。
音くり寿さん、あり得んほど歌上手い下級生って覚えてたけどお芝居もすごく上手ですね…!落ち着いてる…!
羽立光来さんと飛龍つかささんがいい感じに世界を壊さないように笑いを取ってて最高でした。

 

さいごに

まさかの娘役トップと二番手男役がモブレベルに出てこないというお芝居なのに、きちんとお芝居が成り立つという点で花組の芝居力に感動しました。
何度も言って悪いけど、タイトルがつまらなそうだから全く期待してなくてすごい期待値低かったんですけど、個人的にすごーく好きなお芝居でした。心が荒んでるから沁みたのかな…あと心は荒んでるけど結構すぐ感動して涙流すタイプなんで…。
明日海さん、キキちゃん、ゆきちゃん、その他の役者さんたちも、とても丁寧に丁寧に演じていてその役として生きているように見えて、観に来てよかったなあって終わったあとに思いました。

ウエクミ先生といい植田先生といい、わたしは女性の脚本演出作品の方が合ってるのかもしれないです。たまたまかな…
女性の脚本演出作品の方が、「こういうイケメンを見たいんだよ」みたいな、女オタクが好きな男性を出してきてくれる気が…あとちょっとしたところが細やかな所…分からない…邪馬台国とかネモ観たせいでそう思うのかもしれない…

あとあんまり昔の作品の再演とかが好みじゃないことがやっと最近分かってきて…昔の作品よりは現代のオリジナル作品を観たいと思ってるので新しい作品を観れて良かったです。
これから星組遠征が控えてるので一回きりの観劇となってしまったけど遠征予定が無ければもう一度観たかったと思いました。

しかし観てから24時間以内に書く感想は色々書ける…いつもかなり日にち経ってしまうからな…。鉄は熱いうちに打て。

ハンナのお花屋さん Hanna’s Florist
脚本演出 ▶ 植田景子

公  演 ▶ 2017/10/9〜10/29
劇  場 ▶ 赤坂ACTシアター



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非ヅカオタに捧げる宝塚歌劇プレゼンエントリー

今回は若俳オタや声オタなどの他の畑に住まいし方たちを対象としたエントリーです!

ヅカはよく分からんから興味湧かん。一回は観てみたい気がするけどよく分からんから行かん。別に興味ないけど知らないこと知るのが好きだから読んであげる。

といった方たちのために書きました(恩着せがましい)。


はじめに

この記事を書くにあたり、ひとりで書くのは寂しいしめちゃくちゃ偏りが出そうなので、別のオタクに「このテーマで書きなさいよ」って匿名でお題箱に投稿したら「お題箱にリクしてきたのお前だろ」って言われました。
お題箱の匿名性が全然活かされていないと抗議しました。とはいえども書いてもらいましたのでこちらもぜひに。


わたし自身は、別にヅカに関して詳しいわけではないのでヅカオタ面してる気は一切なく、若俳好きなオタクが覗いたヅカってこんなだったよ~って感じの独断と偏見のみで構成された内容となっております。
たまにヅカオタって「全然分かってない」とか言ってくる人居るけど、ほっといてよねっ!

友人の中には「女性ってだけで惹かれないわ」というひとも居るのでそこら辺はさておき。
生の舞台が好き、現場主義である、美形が好き、美形じゃなくても舞台の立ち姿や姿勢が素敵なら好き、ひたむきに頑張ってる人が好き…なのであれば楽しめる可能性があります。

そして組によって特色も違うし演目によっても趣や楽しさが違ってくるので、好みによって好きだなと思う組やタカラジェンヌが出てくる可能性があります。観たけどピンと来なかったといった場合でも、別の組を観たら楽しかった!みたいなそういうパターンがあります。諦めないで。

ベルばら…まつげ…羽根…といったふんわりとした印象が強いと思いますが、冒頭でご紹介したエントリーと併せて、読んだ方がちょっと知らない世界のことを知った気になって頂ければ、わたしは満足です。


各組の特色

組は大きく分けて5組(+1組)あります。◯◯の◯組とか呼ばれてるけど最近聞かないな…?でもあると分かりやすいから書こう。トップスターやその時の組子によって雰囲気や特色が変わって来る部分もありますがアバウトな感じでいきます。

花組

男役の花組、ショーの花組、ダンスの花組
今年の春に新娘役トップが就任して始動したトップコンビ。
まとまりがありショーの魅せ方が上手で華やかです。黒燕尾といえば花組と言われたこともありますね。退団する人が最後に出演するショーで黒燕尾を着れて良かったと喜んでるのを聞いたことがあります。
ショーでは色気と気品とオラオラがブレンドされた「花男」たちに気をつけてください。

 

月組

芝居の月組
男役トップスターが歴代2番目のスピードでトップに就任して1年も経っていない組です。
役作りとお芝居の組み立て方が丁寧で、どんな演目でもクオリティ高く表現してくれるお芝居力に定評のある組。イケメンがいっぱい居て目が回る。
テニプリで表現すると、白石蔵ノ助。
 

雪組

日本物の雪組
硬派なオラオラが多い。日本物の雪組なだけあって刀慣れしている。
今年の夏にトップに就任して始動したばかりの新トップコンビ。
雪組に来ると着物の着付けが上手くなるらしいです。
ショーではメインステージと銀橋(客席手前にある橋みたいな通路)をぐるぐる回るイケメン回転寿司屋が開店することがあるので巻き込まれないように気をつけてください。

 

星組

衣装の星組
衣装の星組って何やねんって感じだけど、衣装を素晴らしく着こなすという意味合いだそうです。
今年にトップに就任したトップコンビ。
星組といえば個性の強さ。組子の個性がスゴツヨです!
若手男役たちが実力秘めている感じで個人的には将来が楽しみな組。

 

宙組

コーラスの宙組、ビジュアルの宙組
現在娘役トップスターが不在で、11月には男役トップスターも退団します。
来年から新トップコンビが始動するのと、花組の二番手が異動してくるので転換期にある組ですね。なのでどうなるんだろうなと予想が出来ないところだけど、だが、それがいい!(カイジのナレーション)
平均身長が高くスタイル良すぎてここはハリウッドか?ってなります。宙組タカラジェンヌたちの長い手足に巻き込まれないように気をつけてください。

専科

組に属さずに必要に応じて演目に出演するひとたちです。演技が上手かったり歌が上手かったり踊りが上手かったりと、プロフェッショナル軍団だと思ってください。


どんなタカラジェンヌがいるの?

どの人もみんな同じに見える可能性はありますし、最初の方はやはり舞台の真ん中に居るタカラジェンヌさんに目がいくことが多いと思うので真ん中辺りに居る男役ジェンヌさんを独断と偏見でチョイスしてみます。ちなみにいつ退団するか異動するか本当に分からないので、本日付けでの紹介です。

 

花組

  • 明日海りお

    花組の男役トップ。とんでもなく美しい人………人なのか?妖精か?とにかく美しいです。美しさ故なのか、耽美で翳のある美しい屈折したクズを演じることも割とあり、演じさせたら右に出る者は居ない。三島由紀夫原作の『春の雪』はすごかった…。『邪馬台国の風』の公演だったか、「久々に真っ直ぐな役をやる」って言っててめちゃくちゃ笑いました。自覚してたんかーい!

  • 柚香光

    顔というか頭自体が小さすぎるスタイルおばけ。舞台で観たらすぐ分かります。ま~~~華がある。めっちゃ華がある。観客席もよく見てくれてる。ダンスがめちゃくちゃキレッキレで格好良いです。お化けがダメなのでお金払ってお化け屋敷とかワケわかんない派。お肉が大好き。

  • 水美舞斗

    愛称は「みなみ」「マイティー」。スタイル良し!顔良し!声良し!芝居良し!歌良し!ダンス良し!筋肉!のオールマイティー。昨今「まだ伸びるんかい!」って驚くほどにぐんぐん伸びてるカッコイイ男役。大型犬でいうとゴールデンレトリバー

  • 瀬戸かずや

    愛称は「あきら」。男の中の男な上級生。「男らしく見せる手の甲」とか細かい所まで男役としてのテクを身につけており、下級生に伝授したりするらしい。どこだったかアジア圏に海外旅行に行った際、マッサージ店で男と間違われたというエピソードをどこかで読んで笑った。

月組

  • 珠城りょう

    月組トップ男役。歴代2位のスピードでトップに就任したんだって。若くて瑞々しいけど確実に男!って感じで格好良い。体格がすごく良くて胸板が厚い。声があったかい。本人に似るのか、ファンの人たちがめっちゃ優しい。
    お米パワーを信じており積極的にお米を食べている。

  • 美弥るりか

    シュッとした輪郭に二次元のようなパーツが収まっている奇跡。目配せや手足の所作、指の先に至るまでの一挙一動に舞台人・タカラジェンヌとしての並々ならぬこだわりを感じる人です。プロフェッショナル仕事の流儀。生で観てほしい。猫好き。

  • 宇月颯

    歌もお芝居も上手い上級生。本当にヒゲ生えてるんじゃないか?ってくらい渋くて格好良い男性像を体現してくれたりします。走りのフォームが綺麗。猫好き。大人の男性が好きなあなたに。

雪組

  • 彩風咲奈

    スタイルおばけのカッコ可愛いワンコ。可愛い〜って思うときもあれば男らしさを見せつけられてヒェーーー・・ー・ーー・(モールス信号)ってなったりするので非常におっかない男役。危険です。気をつけてください。

  • 朝美絢

    最近月組から異動してきました。美しいビジュアルに伸びやかな声が素敵なひとです。2.5次元。車を運転する際、相手が降りてバイバイするときにプッとクラクションを鳴らす。そんな世界があっていいのか?

  •   彩凪翔

    キザで美しい男役。2.5次元
    スタミュに出てくる綾薙学園とかアヤナギ・ショウ・タイムの由来はこの人だと思っています。
    硬派でキザで美形な男性が好きなあなたに。

星組

  • 七海ひろき

    宙組からやってきたオペラグラス泥棒。愛称は「カイ」「ひろきのお兄さま」。二次元オタク。アザラシが好き。
    明るい役から悪役までこなすが毎回役の作り込みがすごいです。生で観るとよりカッコイイので是非生で観て頂きたい。カッコイイお兄さんが大好きなあなたに。

  • 礼真琴

    現二番手の男役。球技は出来ないらしいけど身体能力がすごくない?って素人目でも分かる動きをする。ダンス格好良いです。
    声が低くてハスキーで格好良い上に歌がめっちゃ上手いです。
    車の運転スタイルは乗り込んでから発進するまでが早く片手ハンドル。

  •  瀬央ゆりあ

    夏に公演した『阿弖流為』で坂上田村麻呂を熱演して以来グングン上がってきたひと。スタイルも良く舞台映えのする格好良いひとです。
    面白いことしか考えていない。
    「寝るのが趣味。8時間寝れたら最高!」とか言うんですけど、その裏には「舞台上でより良いパフォーマンスをお見せするにはやはり体が資本なので睡眠は大切にしている。次の日の朝起きる時間を考えて逆算して寝ている。」というエピソードが隠れています。
     

宙組

  • 澄輝さやと

    人間界に羽根を休めるため舞い降りてきてくれた妖精。舞台上に立たれている姿を眺めるだけでも幸せな気持ちになります。溢れる気品が凄すぎる優しいみんなの王子様。ロイヤル度が天元突破。
    不二周助幸村精市が好きなあなたに。

  • 愛月ひかる

    宝塚のファンだった少女がタカラジェンヌになるケースは割と多いが、この人もそのパターン。ヅカオタとしての心も持ち合わせているため、タカラジェンヌとしての魅せ方を熟知しており、またその魅せ方を最大限に表現できる美貌とスタイルの持ち主。

  • 桜木みなと

    のび太みたいな役から悪役までこなす実力派。人柄的には明るくて優しそう。少年から青年に変貌を遂げたが、これからさらに青年から大人へと変貌を遂げていく過程を楽しみたいあなたに。

 

個人的に好きな娘役

  • 芽吹幸奈(花組
    歌が上手いベテランの娘役。お上品な佇まいが素敵な方です。

  • 天彩峰里(星組
    12月25日付けで宙組に異動が決まってます。少年役をやってもすごく上手で…お芝居も歌も上手で…とても可愛くて…星組の宝だと思ってたんですけど…仕方ないんですけど…宙組に…行くんですって………めっちゃ好きな娘役さんです。どこに行っても輝ける。おじさん、どこに居たって応援するから…

  • 華雪りら(宙組
    友人にプレゼンされて画像調べたらあり得んほどの美しさで恐れおののき崇めている女神。 11月20日付けで星組に異動が決まっております。沸き立つ星組男子たちが目に浮かびます。

 

TIPS

  • メインの劇場
    兵庫は宝塚にある宝塚大劇場。東京は日比谷にある東京宝塚劇場。兵庫の方は「ムラ」って呼ばれてます。ムラの方は劇場が大きいことなどもあってチケットが取りやすい。羨ましいくらい取りやすい。東京はどんな演目でも取りにくくて、わたしは半年前から情報収集してチケット取ってます。

  • 観劇マナー
    入ってみれば普通の舞台なので、背もたれに背中つける、喋らない、携帯の電源切る。いつものスタイルで大丈夫。正直おじちゃんおばちゃんの方がマナー悪い人多いよ。飴ちゃん舐めるためにカサカサ言わせたりビニールガサガサ言わせたり携帯ビカビカ光らせたりグチャグチャ喋ったり。里見八犬伝かよ。常識のある舞台好きの人は普段の観劇スタイルで全く問題ないです。

  • 上演中以外は座席で飲食OK
    始まる前と幕間は座席で飲食できるので、幕間に席でお弁当とか食べて大丈夫です。始まったら飲食禁止です。まれに水飲んでる人いるけどダメ。こないだ始まってるのにパン食ってる男が居てワロタ。食うなしwww

  • 上演中以外は撮影OK
    宝塚の劇場内とか座席からの眺めとか、緞帳とか、あとは緞帳が上がったときにタイトル幕があったときとか、写真撮っても大丈夫です。(全国ツアーとか地方公演は要確認)
    記念になるので撮影OKなのはいつも嬉しいなって思ってます。

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  • ロケット
    お芝居だけの一本物でもショーでも終盤に足を上げ下げするラインダンスをするのですが、ラインダンスのことをロケットって呼んでます。特に何年目までの人たちがやるって決まりはないのですが、基本は下級生たちがメインで下級生たちの見せ場でもあります。足の上げ下げし始めると手拍子がどこからともなく聞こえてくるので、気が向いたら手拍子してほしいです。下級生への応援って感じですね!

  • 娘役の髪飾りとかアクセサリー
    娘役さんの髪飾りはみんな自分で手作りしてるらしいです。ネックレスといったアクセサリーも作ることがありますし、カツラも自前だそうです。
    男役もほとんど自分で用意してたかな…(銭の面も含めて大変ですよね…)
    お稽古もあるのに夜な夜な必死で装飾品を作っててたまにNG出されて作り直しなんてこともあるみたいで…ぜひ娘役さんたちの装飾品やカツラとか見てみてください。

  • 舞台化粧
    これは男役娘役関係なく自分の顔には自分でお化粧を施してます。全部同じように見えて違います。アイメイクもダブルラインが赤だったり青だったり緑だったり違ったりとかします。
    遠くの観客からも顔が分かるようにってことであの派手な舞台化粧となっております。

  • エトワール
    パレードの最初に歌う人なのですが、歌が上手い人だったり退団や組替え(異動)に伴う餞別だったりといろいろな理由で選抜された人が歌う。歌が上手い人が選抜されて歌う場合はとても上手いので楽しみにしてて欲しいです。

  • 客釣り
    目線を合わせて微笑んできたりウインクしてきたり指差してきたり投げキッスしてきたりしてくるタカラジェンヌによるテロ行為です。特に花組。気をつけてください。

  • 名前覚えるの大変
    本名があってタカラジェンヌとしての名前があるのにさらに愛称がある。「瀬戸かずやって覚えたのにみんなあきらって呼んでるんだけどーーー!?」ってヅカ好きになった当初分からなくて泣いた。

  • 生徒=タカラジェンヌ=組子
    タカラジェンヌのことを生徒って表現することが多いです。そして「花組の組子たち」とか「組子」って言うこともある。大体同じようなニュアンスだって感じ。

舞台スケジュール

肝心のスケジュールですね。メインの劇場以外の公演はチケットが取りにくいのと、まずはメインの劇場で観るのがいいかな…でも全国ツアーとかあるのでチェックしてみるのも良いと思います。


大劇場

09/29〜11/06 星組『ベルリン、わが愛・Bouquet de TAKARAZUKA』
11/10〜12/15 雪組ひかりふる路・SUPER VOYAGER!』
01/01〜02/05 花組ポーの一族
02/09〜03/12 月組『カンパニー・BADDY』
03/16〜04/23 宙組天は赤い河のほとりシトラスの風』

東京宝塚劇場

10/13〜11/19 宙組『神々の土地・クラシカルビジュー』
11/24〜12/24 星組『ベルリン、わが愛・Bouquet de TAKARAZUKA』
01/03〜02/11 雪組ひかりふる路・SUPER VOYAGER!』
02/16〜03/25 花組ポーの一族
03/30〜05/06 月組『カンパニー・BADDY』
05/11〜06/17 宙組天は赤い河のほとりシトラスの風』

どれを観ればいいか分からない場合

独断と偏見ですが、雪組月組がいいと思います。お芝居一本物よりも、まずはお芝居とショーがある公演をオススメしたいです。
雪組は歌がこれでもかという程上手いトップコンビなので歌唱面では満足できると思います。あとイケメン回転寿司をすることが多いので、もし今回もあるならイケメン回転寿司を観てきてほしい。いつもだったら大劇場の方はチケット取りやすいけど今回の雪組公演、チケ難だそうです。
月組は前述の通りお芝居に長けているし何にせよ演目が面白いに決まってるので絶対楽しいと思います。
花組の『ポーの一族』なのですが、まずそもそもチケ難だし、果たして初めてのヅカでこれは楽しめるのか?と思ったりもしてるので挙げませんでした。

ビジュアルがとんでもないですけども・・・・・

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さいごに

やっと締めです。いつもより頑張って書いちゃったんだぜ…

深入りせずに舞台を観てワ~綺麗~☆って楽しむ気楽スタイルで全然いいと思ってます。チケット取って劇場に来て観るだけなら難しい風習とは全く関係ないので気にしなくて良いです。

そうは言っても東京はチケットが取りにくくて、それが敷居の高さを助長させてる要因のひとつでもあるのですが、もしかしたらそのとき手配できたりお譲りできる分があるかもしれないので、東京でふぇ〜んチケットないよぉ〜ってなったらフォロワーさんや読者登録して頂いている方はわたしに相談してみてください…。わたしも泣いてるかもしれないけど…。

わたしはヅカオタの友人がチケットを譲ってくれてからヅカのことを知って好きになりましたが、こういうきっかけで新しい世界へ足を踏み入れることが出来たりもするな~と思ってます。

ヅカってよく何か独自のしきたりとかありそうだし(あるけど)、謎の文化がありそうだし(あるけど)、チケットの取り方わからないし(無数にあるけど)、そういうよく分からない世界なのでしり込みしてしまうパターンはあるようです。

そういうのって、わたしにとってのテニミュみたいなもんだなと思ってて…観てみたいけど出来上がっている歴史のあるコンテンツだからなんとなく足を踏み込みづらく、友人が連れて行ってくれてやっと行けたみたいな。

友人がタクシーで劇場に向かってるときに運転手の方に「すぐ観れるものなんですか?」って聞かれて東京は難しいですねと答えたそうなのですが、でも本来は観たいなって思ったひとが気軽に行けるのがいいよねって言っていて、本当そうだよなーって。

S席は大劇場の場合は8,300円、東京は8,800円で観れるなんて舞台にしてはコスパいいな~っていつも思ってるので気が向いたらぜひ!他の畑に住まいしオタクの感想読みたいです。よろしくお願いします!


余談

どうしても我慢ならないので説明は省略するけど貼らせて。


 

満足。ー 完 ー



感想:月組『All for One 〜ダルタニアンと太陽王〜』

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舞台は太陽王と呼ばれたルイ14世が治めるフランス。銃士隊の新入りダルタニアンは王の剣の稽古相手に任命される。しかし王はダンスのレッスンに熱中し、剣術には興味を示さない。ある日ダルタニアンは、ブルボン王家を揺るがす王の秘密を知ってしまう…。


ポスターが発表されたときはハァァッ/////珠城りょうさんッ////アァッ…///美弥るりかさんッ///月城かなとさんッ///あわわわわ/////みたいな気持ちになりつつ一番うしろの人物に気を取られて「なんじゃこりゃあ!」ってテンションが上がりまくったのを覚えています。今観ても一番うしろの愛希れいかさん最高すぎやしないか。
この公演の初日に、権利関係で円盤が出せなくてずっと交渉してたという『グランドホテル』の円盤化が決定したお知らせが入ったんだよね。初日にニュース出すとかニクいよなあ。ちょうど刀ステの遠征で福岡のホテルに居たのを覚えています。愛されてるなあ月組

この作品はポスターからして「これは絶対面白いだろうな」って期待値がすごく高くてムラ遠征もしました。
宝塚は日本を代表するエンタメのひとつだと思っていますが色々と万人受けしないであろう面もあるため、むやみやたらにオススメ出来ないのだけど、この作品は超オススメでした!少しだけ大人向けシーンはあれども全然セーフなレベルだし(分かんない子には分かんないと思う)
銃士隊の面々がずらーーーーって舞台上の横幅を目一杯使って並ぶオープニングは最高にテンションが上がるし、とにかくずっと楽しいんですよ。舞台機構もガンガン使うしポンポン話が進んでいくし曲もすごく良くて全く退屈しない。

話の流れ的には、銃士隊のリーダーであるダルタニアンがルイ14世の剣術の稽古の先生に任命されて稽古をつけたら気を悪くさせてしまって銃士隊解散の危機に陥るんです。んでもってそんなルイ14世は実は女で、本当は双子の男の子と生き別れてしまって男と偽って国王やっててもう限界じゃ!ってなりながら気晴らしに女の子の格好をして出向いた酒場でダルタニアンと出くわして恋に落ちて、ダルタニアンも真実を知ってーーー・・・!?みたいな感じ。
難しい要素一切なしの単純明快で爽快なストーリーで、アンパンマンみたいに話が進んでいって終わります。

ダルタニアン、アラミス、アトス、ポルトスって見事に系統が違う男たちが揃ってるんだけどそれぞれ尊敬し合いながら一致団結してるのが大人の男たちって感じでめちゃくちゃ良かったです。下世話なことばかり考えちゃうけど、誰と付き合いたい?わたしはダルタニアンと見せかけてアトスです。キャーキャー言いたいのはアラミス神父ですね。アラミス神父は最高だった。懺悔させてくれ頼む。

 

月組がアドリブを入れずに決められた脚本に沿って着実にお芝居をしているのが良いです。
いつ行っても同じものを観れるというのは観客にとって平等でわたしは好きです。勿論その回その回で役者たちの細かい所作等は違っていると思いますけど、そういうことではなくて、決められた脚本や演出に沿うという点はブレることが無かったし、基本に忠実な上でアドリブではないところでドッカンドッカン観客を笑わせるのは最高だな〜と思いました。
月組は後ろの方で歩いているだけの役でも、その人物がどのような人生を生きてきたかといった背景から考えて役作りをしていくということを友人から聞いていて、そういう姿勢が前公演の『グランドホテル』の深いお芝居に繋がっていたのかなとも思うし、月組のお芝居の組み立て方や表現の仕方がとても好きです。

ずっとアドリブもしてこなかったのに、珠城さんの誕生日の10月4日の公演では誕生日ネタを入れて来てたらしくて!そういう所〜〜〜!「ダルタニアンが誕生日」ってテイで随所にアドリブ入ってたらしくて最高ですね。

若いメンバーが多いけれど美弥るりかさんや宇月颯さんといった面々が引き締めてるし、そして若いからといって拙いわけではなく上手で素敵だしとにかく安心して観ていられる。簡単に言うとただただ楽しい!本当に今の月組ってわたしにとってすごく魅力的な組です。次回の本公演も『カンパニー』という今年5月に刊行された小説の舞台化らしく、そしてショーの方は『BADDY -悪党(ヤツ)は月からやってくる-』というタイトルからして愉快そうなものが決定しているんですよ。

舞台は地球首都・TAKARAZUKA-CITY。
世界統一され、戦争も犯罪も全ての悪が鎮圧されたピースフルプラネット“地球”に、月から放浪の大悪党バッディが乗り込んでくる。バッディは超クールでエレガントなヘビースモーカー。しかし地球は全大陸禁煙。束縛を嫌うバッディは手下たちを率い、つまらない世の中を面白くするためにあらゆる悪事を働くことにする。
彼の最終目標はタカラヅカ・ビッグシアターバンクに眠る惑星予算を盗み出すこと。しかし、万能の女捜査官グッディの追撃が、ついに彼を追いつめる! 


意味が分からないので早く観たすぎます。月組はこういうワクワクするようなタイトルを次々に用意してくれて元気を与えてくれますね。

次回作の話に逸れてしまったけど、All for Oneは目で観ても耳で聴いてもずっと楽しくて月担じゃないけど「もう観に行けないのか…」って少し寂しい気持ちになっちゃいました。とは言えども冬には全国ツアーがあるし終わったと思ったら本公演がやってくるのでヅカオタは忙しい。今後も月組が見せてくれる舞台が楽しみです。


 

 

All for One 〜ダルタニアンと太陽王〜
脚本演出 ▶ 小池修一郎

兵庫公演 ▶ 2017/7/14〜8/14
東京公演 ▶ 2017/9/1〜10/8

劇  場 ▶ 宝塚大劇場東京宝塚劇場