ジグザグ!

ジグザグ!

いろんなことをかくよ!

感想:雪組『琥珀色の雨にぬれて・"D"ramatic S!』

f:id:zigxzag:20171005100514j:plain

 

琥珀色の雨にぬれて

舞台は1922年のフランス。
第一次世界大戦から生還した青年貴族クロード(望海風斗)は、秋のある朝、散歩に出たフォンテンブローの森で神秘的な美女、シャロン(真彩希帆)に出会う。
シャロンに一目で心を奪われた彼に、シャロンの取り巻き・ルイ(彩凪翔)は彼女の素性を話し、クロードとは別世界の女性だと忠告するが、クロードは彼女と精神的に通じ合えると主張、彼らの間には、シャロンに惹かれる者同士の奇妙な親近感が生まれていく。
帰宅したクロードを、友人ミッシェルと、その妹でクロードの婚約者・フランソワーズ(星南のぞみ)が待っていた。クロードはシャロンとの出会いの余韻がさめやらず、フランソワーズの話にも、気もそぞろ。フランソワーズはクロードの変化を感じ取る。
ある夜、ルイたちジゴロも所属するパリの高級クラブ“フルール”で過ごしていたクロードは、客に絡まれたシャロンを助ける。
クロードに好意を感じて感謝の口づけをするシャロン。その場に居合わせたフランソワーズも、クロードの変化の理由を知り、クロードとシャロンの関係に不安を感じるのだった。
その後、シャロンが富豪の銀行家ジョルジュに連れられニースに行くと聞いたクロードは、後を追うことを決意、公平な競争を約束したルイを誘ってニースへ向かう豪華列車トランブルー(青列車)に乗り込む。
道中シャロンと語らいの時をもったクロードは、琥珀色の雨が降るというイタリアのマジョレ湖にいつか共に行く約束をする。
しかし、ニースのホテルに、クロードを追って自動車を飛ばし、疲労困憊したフランソワーズが現れる。彼女の素性を知らないシャロンはフランソワーズをいたわるが、フランソワーズは自分の素性を明かしてシャロンを拒絶し、クロードを汚さないでほしいと叫ぶ。
フランソワーズの一途さに動揺したシャロンは、クロードに求婚された、承諾するつもりだと嘘を話す。彼女たちの会話中にクロードが現れるが、フランソワーズは失望して走り去る。結局クロードはフランソワーズを心配して追いかけ、ルイがその場に残る。
ルイはシャロンの動揺を見抜き、彼女を理解できるのは同類の自分だと愛を告白、2人はそのままニースのホテルから共に姿を消した。
やがてクロードはフランソワーズと結婚。ミッシェルと共に始めた航空会社も軌道に乗り、公私ともに穏やかな日々が訪れていた。しかし1年あまりたった春、クロードはシャロンと再会を果たす。


キャプテンネモを公演している一方でこの作品を公演していると思うと振り幅がありすぎて愉快です。

初演が1984年、生まれる前に既に上演していた作品だったようで…!それから何度も再演されている名作ということなのですが、わたしは今回初めて観させて頂きました。

宝塚を観ていると、きっとこの時代のことをよく知っているとより理解度が高まるんだろうなと思うことが度々あるんだけど今回も然りで、1920年代のパリのことが全く分からない!

第一次世界大戦が終わったのが1918年で物語が1922年。戦争による死者150万人、負傷者500万人とかインターネッツに書いてあったけど、登場人物みんなすごくない…?戦時中にフランスに居たか知らないけどさ…クロードとかミッシェル(クロードの友人)とかサラッと戦争行ってきたで、みたいな感じだったけど、よく考えたらすごいことなのでは…。生き残って戦争終えたのにやることが不倫って何なの…。
第二次世界大戦が1939年くらいからということで…戦間期っていうのかなこの時代は。 1920年から1929年の間はパリに芸術家が集まったとかで勢いはあったのかなぁ…全然わかんないです(投げ)。

星組公演に向けてこの辺りのヨーロッパ史は軽くでも頭に入れておいた方が良い気もするけど、文面から溢れている通り、わたしは頭がとても悪いのである…。

お芝居の中で、並べられたジゴロたち(下級生)がカッコイイんだけど下級生特有の可愛さが残っていて、翔様が来たことでよりそれが顕著で対比が最高だったことを思い出しつつ、主要人物の感想を書こうと思います。

 

クロード(望海風斗さん)

わたしはクロードが苦手です。婚約してる時点で遺産使ってニースに別の女を追いかける男とか絶対に嫌だ〜〜〜。
あとラストシーンでシャロンとイタリアに行こうとしてフランソワーズに咎められたときに 「自分でもよく分からないんだ…」とか言って、えぇ…?ってなりました。「一線は超えてません!」って咄嗟の嘘すらつけないんだもん…でもそういうピュアで素直で嘘をつかない所も含めて好きだったのかもしれないね、フランソワーズもシャロンも。本当に分からなそうだったもん。
あとクロードはフランソワーズのこと元からそんな好きじゃなかったんじゃないの?って思ったんだけど、そう問われたらクロードは「分からない…」って言いそう。

クロードの悪口は以上です。

クロードを演じた望海さんが青年にしか見えなくて!今までわたしが望海さんに抱いていたイメージは大人で色気のある男性だったので、今回は青臭い青年にしか見えなかったのですごくビックリしました。

 

シャロン(真彩希帆さん)

こういう生き方は疲れそうだなぁ…と思った。やりたいようにやるのって言ってそうやって生きてるように周りには見えてるみたいだし、フルールでも「わたしはやりたいようにやるの」って言ってたんだけど、自分に言い聞かせてるような感じもして。
真彩さんはセリフ声もすごく綺麗で好きなんだけど、セリフを喋ってるって感じがしなかった!息遣いっていうのかな…発声の仕方の御蔭なのかな。とにかくシャロン格好良かった!シャロン好き!

 

ルイ(彩凪翔さん)

こういう翔様、見たかった!望海さんとの掛け合いも楽しかったし、いい人だった。翔様のお芝居をじっくり観れて嬉しかったな!

 

フランソワーズ(星南のぞみさん)

何度か本当にクロードでいいの…?って思ったよ…婚約してるのに好きになった女の人を追いかけてニースまで行ってるってだけで嫌じゃない…?友だちだったら止めてたよ…。
星南さんの澄んだ声で聞く「わたしはどう正直に生きたらいいの」とか「人間ってとても悲しいのね」ってセリフがとても好きです。
歌とかお芝居とか上手くなったら、もっと素敵な娘役さんになるんだろうなって思いました。

 

クロードは日なたの世界の住人で、シャロンは日蔭(って程でもないけど)の世界の住人だから、日蔭の世界にどっぷり浸かってずっと生き続けるシャロンとは生き方も考え方も全然違うんだよね。クロードからすると非現実的な世界に生きてるっていうか。シャロンもクロードが輝いて見えたかもね…お互い自分の住んでる世界には居ない存在だから。

対照的な女性がふたり居てクロードはその間で揺れていたけど、女性がどうのっていうのを取っ払っても、この男は現実を取るのか非現実(夢)を取るのか、非現実を取ろうとしてどうなったのか、というお話のような気がしたし、文学的に観たら倫理観を問うお話ではなくて、恋してしまったんだ君に!っていう、理屈じゃない感情に左右されたひとりの人間の一瞬を切り取った物語なのだと解釈しました。

とにもかくにも、望海風斗さんがトップスターになったの最高に嬉しいです!ご贔屓が星組にいるので物理的には星担になってしまっているのですが精神的には雪担なのです。本当に待ってましたーーー!!!って感じなので、これからの雪組も楽しみです。


琥珀色の雨にぬれて
作・演出 ▶ 柴田侑宏・正塚晴彦
Dramatic "S"!!
作・演出 ▶ 中村一

公  演 ▶ 2017/9/9〜9/10(神奈川)

劇  場 ▶ 相模女子大学グリーンホール