ジグザグ!

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いろんなことをかくよ!

感想:舞台『TRICKSTER the STAGE』

誘拐された戦場カメラマン、次々に殺される容姿端麗な男たち…巻き起こる事件に立ち向かう少年探偵団が見たものとは?
「私は人殺しを好まない」 そう言いつつも他人には平然と人を殺させる 謎に包まれた犯罪者・怪人二十面相。彼は何を思い、何のために罪を犯すのか。
突如現れた【地獄の道化師】(ヘルクラウン)の存在によって 二十面相と明智の過去が交錯し、 ふたりの因縁が今、暴かれる。
善とは何か? 悪とは何か? 目に見えているものが本当に正しいのか? 正義とされるものが本当に善なのか? この世界の善と悪、不条理に迫る。


原作全く知らない状態で行くつもりだったのですが、二十面相がどんなキャラかだけ見ておこうと思って一瞬観たんですけど声がガ○トで困惑しました。
でもわたしの好きなタイプだった。銀髪クズの悪役。PSYCHO-PASSに出て来る悪役の槙島聖護タイプの悪役です。わたし悪役では槙島聖護がいちばん好きなんですよね。ガ○トじゃなかったら絶対櫻井孝宏先生が声当ててるやつだよ!!!

明智の探偵事務所に舞い込んでくる事件の裏にはいつも怪人二十面相が居て、全て明智のために二十面相が仕組んでる。二十面相と明智の衝突を主軸に、同時進行で少年探偵団たちが事件解決に挑んでいくお話でした。

二十面相と明智の関係は前述したPSYCHO-PASSにおける槙島聖護狡噛慎也に類似していると思いました。大好きなやつ。
二十面相は明智に酷く執着していて、明智の奥底に無理矢理眠らせている刺激を求める気持ちを見抜いていて掻き立てて遊びたがっている。出逢った時のエピソードはちょっと出てきたけど、何故そんなに明智に執着しているかはあんまり分からなかった。でもきっと、明智は二十面相のおめがねにかなってしまったんだと思います(適当)。明智も明智で、自分の仄暗い部分を知っているのは二十面相だけだと思うので多分ありゃ共依存してるよ。手遅れですね。

明智はかつて傭兵として戦場に出ていて高い成績を誇っていたような描写がありました。人を殺すのが楽しかったというよりは、命のやり取りが刺激的で楽しかったんだと思います。その姿を二十面相は知っている。ふつうの暮らしをしたいと思って傭兵を辞めたけど、二十面相は本来はそんな人間ではないだろうって色々仕掛けてきて、刺激を求めたい気持ちと平和を求める気持ちがせめぎ合う明智は苦しみます。
傭兵時代を思い出させたくて、展示会が開催される予定だった戦場カメラマンを誘拐して、戦場での写真を明智に見せる。
いつだって明智のことを見ている、いつも自分を意識していて欲しい、苦しませたい、楽しませたい、遊んで欲しい、憎い、愛しい。そんな気持ちを抱いている。明智の強火トップオタ、それが怪人二十面相

少年探偵団側では、小林少年の「死にたい」という苦しみが主軸になっていました。何でか知らんのですが、小林少年の身体はモヤで守られていて、衝撃とかから勝手に守られちゃうんですよ。悪意がないひとが接触しようとしても弾かれちゃう。モヤが無いときもあるみたいなんですけど。その能力、通勤時間帯中に欲しい。朝、おじさんのため息をダイレクトに顔面に浴びたわたくしは強くそう思いました。
守られてるのだからいいじゃんって感じなんですけど、小林少年は死にたい死にたいって言ってて、探偵事務所で事件を追っていればいつか死ねるという花崎の言葉を信じて一緒に行動しています。ポスターの『死ねる事件、求ム』はそういう意味ですね。何故小林少年は死にたいのか、という所がポイントです。
原作知らなくても大丈夫だったし話の流れも無理はなかったしアクションアンサンブルとダンサーにめっちゃ力入ってました。思っていたよりも歌ったり踊ったりします。歌ったあと拍手しないので、歌ったら拍手する舞台ばかり観てるわたしはちょっと戸惑っちゃった。


ここからは更にしょーもないことをキャラではなくキャスト名表記で書き連ねたいと思います。

燈くんはキル・ビルみたいなツナギを着ている。燈くんはお顔が小さいので前で観てても遠い柚香光現象*1が起きる。太陽みたいな笑顔を浮かべたりするのにふと翳を見せるから(と、ともるくん…)ってなる。あとキル・ビルって堂々と書いたんだけど舞台の記事に載ってる写真見たらあんまりキル・ビルじゃなくて笑っちゃった…でもあいぽんの下書きには「ともるくんキル・ビルだった」って書いてあったから仕方ない。


初めて観たのですが、古谷大和さんめっちゃカッコ良かった。銀髪ロングをひとつに束ねて白衣着てて飄々とした感じがとてもよかった。ああいうのツボなんです。座るときは必ず白衣をバサってやっておしりで敷かないようにしていたところがお気に入りです。ううう古谷さんよかった。多分写真よりも実際に観た方が良さが分かる気がします。

 

赤澤遼太郎さんは、足を悪くしてしまって普段は車椅子らしいのですが杖をついて歩いていました。足が悪そうな動きがリアルだったなあ。明智の探偵事務所で働いていてしっかり者でカタイ感じのひとでしたが幼馴染の勝田にサーカスのチケットを渡して誘うシーン、何故か恋する乙女みたいな感じだった(笑)。勝田が行くよって言ったときすごい嬉しそうにしていたのが可愛かったです。

鯨井さんをキャスティングしてくれてありがとう制作。ピンクシャツ(しかも光沢の)を開襟してネクタイしててスラックス穿いてるんですけど、後ろを向く度に大人の男の背中やん…ってなるんスわ。けしからん。終始大人な感じでいちいち何かカッコイイんですよ…けしからんのですわ(これしか言わない)。
マジけしからんかったのは「仕事と女は別腹だからな」みたいなセリフ言ったんスよ鯨井さん。けしらかんでしょ。「女」の前が果たして「仕事」と言っていたかは定かではない。ただ、確実に女は別腹だと言っていた。ありがとな。ありがとな脚本。元気出たわ。鯨井さんのお芝居は観ていて楽しかったです。

細貝さんは二十面相を気持ち悪く演じていたんですけど(褒めてる)、色っぽかったし人間っぽくないのが良かった。わたしは完全に二十面相を槙島聖護タイプだと思って観ていたので余計に楽しかった。悪役って最高だな。しかも自分で手を下さないで人を操るのがよいです。状況を楽しそうにちょっとニヤってして傍観してる様が好きです。鯨井さんと細貝さんの組み合わせ、安定しててよかった。久し振りの共演だねって言ってたけど、ちょいちょい一緒にやって欲しいな。


TRICKSTER the STAGE
脚本演出 ▶ 松多壱岱

公演期間 ▶ 2017/4/12〜4/16

劇  場 ▶ ZEPPブルーシアター六本木

音  楽 ▶ 馬場俊行(PD)・池波晏寿・有木竜郎奈良悠樹
制  作 ▶ オフィスサイン

*1:顔が小さすぎるのでオペラグラスでも見えにくいよ!というクレームが発生する宝塚歌劇団花組所属の男役がもたらしている現象のこと。一般的ではないので当ブログだけの用語です。