ジグザグ!

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いろんなことをかくよ!

感想:舞台『スーツの男たち』

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ニューヨークのグランドセントラル駅。
マフィアの殺し屋マックスとボビーは待ち伏せしてある男を殺すはずが、間違って別の男を殺してしまう。 彼らのボスは仕事をしくじった手下に容赦ない。 マックスは逃げようと言うが、ボビーは正直に謝ってしまった方がいいと主張する。 結局二人は、バーモント州のボスの家まで夜通し車を運転して行くことになって―――……。

 

24時間ある中の1時間半

よくブログを拝読させて頂いているA子さんが面白かった!と仰っていたので観に行ける日あるかなあと思いながらふらりと安西くんのブログを読みに行ったのです。

今回、役者の表情から呼吸まで全てをさらけ出していて、肌の繊維まで見える。
そのくらい舞台上と客席が近いです。
正直、怖いです。
何も隠せないから。
でもその反面楽しいです。
お客さまに『何か』を感じとって帰って頂くべく稽古を積んできました。

24時間ある中の1時間半を下さい。

『来てよかった。』とお客さまに思って頂けるよう、色々な意味で面白い作品をカンパニー全員で作りました。 スーツの男たちチーム全員で心より皆さんをお待ちしております。*1 


「肌の繊維とは…」というのは置いといてですね、この一文です。


24時間ある中の1時間半を下さい。


この一文を読んだあとすぐにスケジュール調整してチケットを買っていました。安西さんの性格とか詳しくないけど、こんなこと言えるんだね…。「へえ、やるじゃん」とわたしの中の越前リョーマがそう褒めておりました。俺はチョロい。「お時間があれば観にいらしてください」よりも「24時間ある中の1時間半を下さい。」って言われた方がグッときませんか?色んなひとに当て嵌めてみて下さい…ヤバくない???

雑感

イケメンが着るスーツは最高
わたしがお仕事をしている職場では、年の瀬の最終日は営業でも私服OKになります。大久保っていう営業の男がかつて居たんですけど、派手な半ズボンにレギンス穿いてきてですね。多分オシャレな俺をアピールしたかったと思うんですけど、それがしゅげーダサくて「オメェ、会社でボルダリングでもすンのかあ?(cv.野沢雅子)」って感じだったんで、心の中でレギくぼって専ニク付けたことがあります。もうレギくぼは会社を辞めちゃったんですけどね。しょっぱなからすごくどうでもいいこと言ってる。つまり男のスーツって最高!ってことです。イケメンがスーツを着るということはもっと最高です。後述しますが、安西さんのスリーピース且つサイドベンツジャケット最高。

三人芝居というより二人芝居
三人芝居というよりは、二人芝居と言ってもいい気がします。ほぼ二人芝居でずーっとマックスとボビーがひたすら喋り続けてて、ボスが出てきたときにやっと三人になるけどすぐにマックスがログアウトして二人になる感じ。すごいバカなこと言うけど、よくセリフ覚えられるなすごいなって…。たくさんの人が居る舞台と違って少人数の舞台ってセリフ量が標準的な舞台とは桁違いじゃないですか。改めて役者ってすごい!って思わざるを得なかった。
普段は70名近くの劇団員が出る舞台を観ているので、MAXで三人しか出ないお芝居というはとても新鮮だったし集中できるし本当に面白かったです。

羽場さん
少ししか出てこないのですが、存在感がすごくあった。出てきた時に、空気がピリッとした。そして突然キレるのめっちゃ怖くてしんだ。笑わせるとこは本当にファッwwwって思わず笑っちゃう。でもやっぱり話してる内容が何だかおっかなくて、直接的な表現はしないけど暗喩してるテレビでしか見たことなかったことが無かったしまさか舞台で至近距離で観れると思わなかったです。ベテラン役者の凄みを体感できました。

章平さん
章平さんのことは再演しろでおなじみの舞台戦国無双〜四国遠征の章〜*2でしか見たことがなくて、その時はキシタクと一緒に世界観にそぐわないギャグ連発して流れをぶった切ってた印象が強かったんですよね。演出の問題です。
再演でおなじみの舞台戦国無双〜四国遠征の章〜以降は観る機会が無かったのだけど、今回観劇して「再演でおなじみの舞台戦国無双〜四国遠征の章〜のときの人と同一人物なの…!?」って思うくらい別人に見えて、普段はこんなお芝居をされる方なんだーって感激しちゃって。明るいバカ、なように見えて本当は違う気もして。わたしにはボビーのことが理解できなくて不気味に感じました。カッコイイのと、得体の知れない怖さでドキドキした!

安西さん
下手側で前に出てきて髪を櫛で撫でて整えてるシーンがクソクソかっこよくてコ、コラーーーーーー!!!ってなりました。あとジャケット脱いでベスト姿になるとこな…。スリーピース且つサイドベンツのジャケットがとてもお似合いでカッコ良かった。スリーピースでサイドベンツジャケットの安西さん観てきて!みんな…!

悪夢を見てアヒャーーーーってなりながら椅子から転げ落ちるとこはホラー。不健康と書いて安西慎太郎と読む。不健康さとか不健全さで言ったら若手俳優界の中でも群を抜いていそう。知らんけど。家に帰ったあとHuluでアリスの棘を再生して桜の下でみんなでわいわいと何かをもぐもぐ食べている健康的な安西さんの姿を見て気持ちを整えました。*3
いやしかし上手だったなあ安西さん…!役が憑依してる。

正反対のマックスとボビー
登場人物はマックス(安西さん)、ボビー(章平さん)、ボス(羽場さん)の三人だけで、俺の手は血で汚れていると嘆くのがマックスなら、「汚れてるなら洗えば落ちるよ!」って言っちゃうのがボビー。
マックスは頭がよくて細くて神経質な感じ。ボビーはちょっと頭が弱くてガタイが良くて明るい。本当に正反対。ふたりは幼馴染でコンビとしてマフィアで働いてるんだけど、マックスはボビーより上の階級で上司という設定だったと思う。マックスが俺の御蔭でお前はこうしてスーツを着れてるんだみたいなことをボビーに言ってた。

91days
2016年に放送されたオリジナルアニメに『91days』という作品があります。わたしはこの作品が大好きで未だに観たりしてるのですが、この舞台を観たときに91daysのことを思い出しました。家族をマフィアに殺された少年がマフィアに入り復讐をしようとする話なのですが、主人公にも幼馴染が居るんですね。終盤に主人公は幼馴染を殺さなければいけない事態に陥り、目的を果たすために幼馴染を殺します。家族を殺された主人公に「僕たちは兄弟だよ」と見守ってくれていた幼馴染を殺すわけなのですが、仕方ないにしろやるせなくて放送当時は落ち込みました。
今回の『スーツの男たち』も、ボビーがマックスを殺してしまったので、うわーんってなりました。ボビーはマックスと居ることよりも、自分の階級が上がることを取ったんですよね。幼馴染でずっと一緒に居たのに殺せちゃうもんなんだなって思って。マフィアってそういうものなのでしょうか。あんまりマックスのこと好きじゃなかったから殺せたのかもしれんけど(笑)。

バッド・エンドだったでござる
しょっぱなから、汽車のブレーキ音に混じって女性の悲鳴が聞こえるんですけど、真っ暗な中聞こえるので怖いです。
マックスは殺してきた人の悲鳴が頭の中で聞こえて、精神が参っちゃってるんですよね。マックスは田舎に帰って、家族を持ちたいってボビーに打ち明けるんです。あたたかい家庭を持って、屋根を直したいけどお金はあるかとか、そういうことで悩みたいって。とにかく悲鳴が怖いので、あんなのがずっと聞こえてたらそりゃあマフィア辞めたくなるわって納得できます。
最後にボビーがマックスを殺したとき、マックスはボビーに「これからはお前にも聞こえるだろう」と告げます。その予言通り、ボビーの頭の中にはたくさんの人たちの叫び声がガンガンと響いて、これからボビーは頭の中で響く悲鳴に苦しめられるだろう…という所で舞台が終わります。しんどい。しんどすぎる。終わったあと、電車の中で「しんどーーーー!!!」ってなってました…。

アフタートーク

演出の落石さんと、音楽の岩崎さんを含めた4名でのアフタートークでした。ほとんど落石さんと岩崎さんがお話されていたのですが、役者の話も楽しいけど制作陣の話を聞くのも楽しい!

  • 落石さん:最初に暗闇の中、汽車のキキーッてブレーキ音に混じって女性の甲高い悲鳴が聞こえるんだけど、話の流れ上、本来は男の悲鳴じゃないといけない。でも音の周波の関係で列車の音と被ってしまうから女性の声にした。女性の声は劇場にいたお姉さん。

  • 落石さん:ポテト揚がりすぎってSNSでよく言われてることはみんな把握している。(マックでポテトが揚がるときのテーレレ♪テーレレ♪っていうのが割とめっちゃ聞こえるおもろシーンがある)あのポテトが揚がる音は僕がリクエストした。
    章平さん:あの音が鳴ったらすぐにポテト取りに行かないといけないのにずっと鳴ってる。
    落石さん:寄った店はマックじゃなくて個人的にバーガーキングのつもりなんだけどね。

  • 落石さん:音楽は稽古の時に雰囲気を見て作ってもらった。岩崎さんは小さい鍵盤みたいなのとタブレットでその場でカタカタ作業するのすごい。
    岩崎さん:飲みに攫うために稽古場に行った。
    落石さん:アレ飲み屋調べてたの!?

  • 落石さん:最初は音楽がない状態で稽古していたので、本読みをしている段階で大体どのくらいの時間が必要かを測って平均を出して音楽を作るんだけど、しんたは何回やっても前後3秒程度しかズレなかった。しんた天才だよ。
    安西くん:天才です。

  • 岩崎さん:ボスが出てくるシーンは敢えて最初と最後しか音楽をかけていない。
    羽場さん:「でもマフィアのボスの家ってなんか有線かかってそうじゃない?あとは蓄音機とかさ」
    岩崎さん:「あー…、あーーー?!(たしかにィ!みたいな顔する)」

  • 暗いシーンでシリアスな曲を、ではなくては暗いシーンでは明るく、明るいシーンではシリアスな曲を敢えて流しているとのこと。
    安西くん:個人的に、シリアスなシーンで暗い曲が流れるのはナンセンスだと思ってるのでなんたら(覇気がないことに気を取られて最後聞こえなかった)」

  • 落石さん:三人は別々の楽器であってほしくて。ボスの声を軸に、しんたには普段より低い声を出してもらって、章平には普段より高い声を出してもらった。これは直接指示はしていなくて、そうなるように指導していた。

  • 落石さん:最後のシーン、駅にはストリートミュージシャンがよくいるからサックスの音が聞こえるようにしていた。いきなり悲鳴がバーンっていくとつまらないので、サックスの音がどんどん悲鳴になるようにした。
    悲鳴が怖いと評判だと耳にしている。高円寺駅の電車の音が悲鳴に聞こえるといった感想も見たが、それは思惑通りで嬉しい。
    三人しか出ていない分、色んな所に仕掛けを作っている。気付いたひとはSNSに書き込んでください、当たった人には僕がリプライします。


ほぼ落石さんと岩崎さんが喋って司会のお姉さんが盛り上げて安西くんと章平さんは大人しくしてましたが、先程も書いたように、楽しかったお芝居を作ってくれた制作陣のお話を聞けるのはとても楽しい!

お話は暗かったし終わり方もしんどいんですけど、1時間半あっという間で、お芝居を観たー!って感じ。役者全員が上手だったし厭きる瞬間が全く無かった。
ラストシーンを観てしまったあとは「ほんならぁ、ボスがぁ↑↑↑エスプレッソのカップパリーン落としてぇ↑↑↑ほんでボビーがぁ○○しよるんですわ!エーーーーーッなってえ↑↑↑」って千原ジュニア化してしまうんですけどね…。ああつらい…めそめそ。

多分千秋楽は完売してるかな…ということはあと3回かな、金曜・土曜のうちに高円寺に行ける人は1時間半空き時間作って当日券あったら買って観てみて下さい。とオススメしたいがために急いでブログ書きました。とかいってイマイチだったらごめんなさい。わたしはすごい満足して観てよかったー!って思ったオススメの作品です!

千秋楽後の落石さんのツイッター



スーツの男たち
演  出 ▶ 落合明憲

公演期間 ▶ 2017/3/18〜4/2
劇  場 ▶ アトリエファンファーレ高円寺
音  楽 ▶ 岩崎廉
企画製作 ▶ シーエイティプロデュース

*1:

*2:時折発作のように再演しろと言っている。円盤は出ているが願わくばもう一度舞台で観たい。メンツが好きだったし楽しかったからだ…でもキャストは良かったのに全然埋まってなかったから再演しないことは分かっている。でも言う。

*3:上野樹里ちゃんが好きなのでドラマ『アリスの棘』自体がとても好きです。