ジグザグ!

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宝塚花組公演『雪華抄/金色の砂漠』感想

雪華抄

作・演出 原田諒
花鳥風月―――日本ならではの風雅な趣をテーマに、華麗に格調高く繰り広げる舞踊絵巻。華やかな初春の風情に始まり、夏のきらめく波濤、秋の月、そして雪の華が舞う白銀の世界から桜花夢幻の春の讃歌へと、絢爛豪華な場面が次々に展開されます。現代的なエッセンスを加え、宝塚風にアレンジした日本古来の伝説なども織り交ぜながら、四季の美しさと艶やかさを華やかに謳い上げた日本物レビューの意欲作。 国際的に活躍するファッションデザイナー丸山敬太氏が、衣装デザイン・監修を手掛けます。
宝塚歌劇団公式HP公演解説


第1場 紅梅白梅
チョンパ*1で始まるショーなのに、銀橋でみんなが声をあげてもチョンパにならず暗闇のままで客席がざわつく…。ざわ…ざわ…そう!トラブル!※カイジ風にお読み下さい。
音と照明がトラブルを起こしてしまったみたいです。一度みんな捌けて行って、体感10分後くらいに仕切り直しでした。暗闇の中でも分かる柚香パイセンのお顔…。
二度目の仕切り直しで始まったショーは華やかの一言!生で日本物ショーを観るのが初めてだったのですが、日本舞踊とか全く分からないから退屈するのかなあ、などと思っていたのですが、とにかく楽しい。色とりどりの着物がステージいっぱいに広がっていて、日本人でよかった…と思いました。
わたしは娘役では花組の芽吹幸奈パイセンが一番好きなので、素晴らしい歌声を披露してくれて耳が幸せでした。見た目も歌声も大好き!

第2場 花椿
専科の松本さんがひとりで踊るターンだったけど素人目でも何か上手い…って分かる。そして何よりカゲソロが上手すぎてビビるの巻。このバカウマなカゲソロ誰なの!?って思ったら音くり寿さんっていう人で調べたら100期生………………1 0 0 期 生 !

第3場 鷹と鷲
熊鷹:明日海りお(みりおちゃん)
鷲のリーダー(狗鷲):柚香光(れいくん)
鷲のサブリーダー1:瀬戸かずや(あきら)
鷲のサブリーダー2:水美舞斗(マイティー)
その他の鷲:舞月なぎさ、矢吹世奈、飛龍つかさ、亜蓮冬馬、帆純まひろ、聖乃あすか

人選天才か!!!!!!!!!天才だな!!

最初にあきらとマイティーが率いるイケメン鷲が現れます。あきらとマイティーが上手と下手に分かれている上に他の鷲も許せない人選なので、妖怪になってもいいから目玉は最低10個欲しいって、劇場の2000人の観客みんな思ったよね???
ッゲーーー!鷲ヤベー!って思ってたら後ろの岩山にれいくんがピカーンって現れるんです。怒った。そして鷹のみりおちゃんが奈落から上がってきて鷲たちと戦うんです。この場面の曲かっこよすぎて100時間リピート出来るから音源欲しいなって思ってます。この場面はオタクはみんな好きだと思うからみんなに観てくれって布教したい。この第3場までの時点でチケットのお値段以上の満足感を得ていました。 ー完ー

第4場 七夕幻想
鳳月パイセンやキキちゃんたちのターン
もう疲れたよ…みんな格好良いよ…ってキレながら観ていました…

第5場 波の華
アキラ・- ・- ・-・・ -・-- ・・ ・-・-・ -・-・ --・-・ ・-・-
青天髷のあきらが上手側の奈落から上がって来て「ホゥッ!」つって銀橋を練り歩いて手ぬぐいを肩に掛けて…笑っちゃいますよね、格好良すぎて…いい加減にセイヤ!銀橋の真ん中で歌うあきら…許せない…そして手ぬぐいをひらひらと風に靡かせながら銀橋を下手側へ走っていくあきら…。

コ、コラーーーーーーーーー!!!!!

怒り足りないのにすぐに下手側からマイティーが出てきていっそ泣きたくなった。あきらとマイティーのせいで情緒不安定になる…好きです…生まれてきてくれてありがとう。
日本モノの花乃ちゃん可愛いー!ちなつちゃん(鳳月杏)格好良いよただの男だよ!
色んな地方の民謡、とっても楽しいエンヤーットットー素敵だった!楽しい!めっちゃ楽しい!あや棒を自由自在に操るのすごい!ヤンヤヤンヤしてた!

第6場 清姫綺譚
花乃ちゃん激おこのターン。假○崎氏みたいな髪型になってもみりおちゃんは綺麗。髪型は○屋崎だけど…。

第7場 桜花夢幻
第6場の激しい業火が終わり、しんしんと雪が降る冬のシーンに変わります。そして銀橋の上手側に出てきたのが和海しょうさん!ソロ!!!!!!!格好良いだけじゃなくて歌が上手いと思っていたのでソロ嬉しかったです。そして冬から春へと季節が移りますが、綺麗でしたねこの場面。本当に綺麗。カゲソロもすごく綺麗だし、すごくいい歌だし。満開の桜が天井から降りて来たときは美しくてため息が漏れました。歌も素敵だし感動の一言でした。

宝塚のひとたちって何でも出来るんだな…(小並感)日本物ショーとにかくすっごく楽しかった…すっごく楽しい…宝塚を知らないひとたちに「みんなー!雪華抄観ようぜー!」って言いたい!布教したい!美しくて楽しくて大満足のショーでした!


金色の砂漠

作・演出 上田久美子
昔々、いつかの時代のどこかの国。砂漠の真ん中にあるその王国の王女は、“ギィ”という名の奴隷を持っていた――。
自分がどこから来たのかも知らず、王女タルハーミネの奴隷として育てられた少年、ギィ。常に王女に付き従って世話をする彼は、長じるにつれ、美しく傲慢な王女に心惹かれるようになる。ギィを憎からず思うタルハーミネではあったが、王女の立場と何より彼女自身の矜りが、奴隷を愛することを許さない。タルハーミネはわざと高圧的な態度でギィを虐げる。
奴隷でありながら矜り高いギィは、そんな王女を恋の前に屈服させたいと激しい思いを募らせる。
ギィの怒りにも似た愛は、やがて報復の嵐となってタルハーミネと王国を呑み込んでゆく――。 架空の古代世界を舞台に描き出される、愛と憎しみの壮絶なアラベスク
宝塚歌劇団公式HP『金色の砂漠』公演解説


雑感

愛憎/復讐/身分の違い/男女のいざこざ/実はわたしがお母さんなの!/実はお前たちは兄弟なんだよ!/実はお前の身分は本来は高かったんだよ!/処刑したと思ったら生きていて復讐された!
…といった要素が詰め込まれているので、韓国ドラマだなあって思いました。この流れ、オラ観たことあるぞ!

星逢一夜にうへぇ…となってしまったタイプなのですが、金サバは想像以上に惹き込まれました。これは確実にオタク向けの要素がいっぱい詰め込まれていたからだと思います。超美人のみりおちゃんが奴隷って時点で、ね?そんな奴隷のみりおちゃんが女主人の婚礼の儀の前日に押し倒すとか、ね?いや本当ね、設定が既にオタク向けですよ金サバは。

まず申し上げたいことは、奴隷たちがイケメン過ぎるってことですよ。みりおちゃんとかキキちゃん(芹香斗亜)とかあきらとか…いやいやいや…奴隷の概念がよく分からなくなる。めっちゃ気遣っちゃうわ…こんなイケメンな奴隷が自分に付いてたら何でも自分でやる。あなたはお昼寝したりティーしててくださいのんびり幸せな毎日を過ごしててくださいって言う。常人では決して虐げる気にならないイケメン奴隷を踏み台にしたり「砂や塵と同じですわ」って言ってしまうタルハーミネ(花乃ちゃん)はすごい。

今回語り部でもある『ジャー』を演じたキキちゃんを褒めまくりたい。キキちゃんソツが無いよねって、ベベさん(ヅカ友)が言っていたのですが本当にその通りで、キキちゃんはソツが無い!ガタイも良くて男役って感じだし、歌も上手いしセリフの声も聞き取りやすいしお芝居もダンスも安定してる。とにかく安定してる。「キキちゃんってどんなひと?」って聞かれたら「トータルバランスがいい人」って答えるなあ。今回、ジャーという役の好感度が高いのもあったと思うけど、キキちゃんのことがすごく好きになった!

そして次に、仙名彩世パイセンを褒めたい。最後のロケット(ラインダンス)の所!全然感想漁らないので観劇日に初めて仙名パイセンがロケットに出てることを知りました。
\エキゾチック!ジュエリー!/って聞こえたかと思ったら真ん中に仙名パイセンが居て笑い死ぬかと思った。マジか、マジなのかと。ロケットって言ったら若手の見せ場じゃないですか。だから若手がちょっと可哀想だなって思ったんだけど、94期のパイセンが…しかも次期トップ娘役が混じってるのヤバい。真ん中でオラオラ踊っててハートの強さに痺れるしかなかった。最高に元気出る。次のトップ娘役は、ハートが強い。

冴月瑠那ちゃんは何をやらせてもぽわぽわしてて可愛くて愛しくてしんどい。ダンスになるとキビッキビなのに。
天真みちるパイセンは宝塚の宝。いつかは専科になって永遠に宝塚に居て欲しい(勝手なことを言う)。

みりおちゃんのお芝居が本当に上手なので、みりおちゃんを観ていると物語の世界に引き込まれていきます。すごい集中して観てしまった。みりおちゃんはものすごく綺麗な人だけど、陰気だったり変質的な役がとても似合う。源氏物語では幼女趣味だし、今回は奴隷なのに女主人を婚約者から寝取るし。これは生で観てはいないのですが『春の雪』のお芝居もすごく良かったですよね。ミーマイのビルみたいな明るいコミカルなお芝居も観てて楽しいんですけど、こういう屈折して陰気なお芝居を美しく表現してくれる凄い役者だなあと思いました。

トップ娘役の花乃ちゃんの卒業公演でしたが、この演目が卒業公演で良かったと思います。タルハーミネは我儘で奔放だけど何だか窮屈そうで苦しそうだった。タルハーミネが危険を冒してまで「金色の砂漠」を見ることを何であんなに求めてたのか描かれていなかったけど、「金色の砂漠」っていうのは「解放」や「自由」だったのかもしれないなあと書きながら思いました。そしてそれらはタルハーミネにとっては「死」だったのだろうと。
希死念慮でも抱えてるかのように、ずーっと「金色の砂漠」を求めて生きていた。「金色の砂漠」を見ることが出来たタルハーミネは、呪縛から解放されて自由を手に入れた。つまり死ぬことが出来た。そう考えると、タルハーミネという役はやっぱり花乃ちゃんにぴったりだし卒業公演に相応しかったと思うのです。

きっと今日は雨が降るだろうな、と幼い頃からずっと雨女だった私はそう思っていました。私の宝塚人生はたくさんの雨が降りました。どしゃ降り続きで前が見えなくなった時もありました。でも、雨でどんなにずぶぬれになっても一緒に笑い転げてくれる大切な仲間と、そっと傘を差しだして共に歩んでくださる大切な方がいました。そして今、私の目の前に広がる美しい、雨上がりの景色を与えてくれました。私に降り注いだたくさんの恵みの雨。そしてどんな時も支えてくださったすべての皆様に、本当にありがとうございました。
花組トップ娘役 花乃まりあ 卒業挨拶


花乃ちゃんの「宝塚人生はたくさんの雨が降った」という表現が印象深いです。花乃ちゃんの期は過去の事件によってアンチがとにかく多いし(贔屓も同期)個人的な見解だけど花乃ちゃんみたいな子は男性からはウケがいいけど女性からは嫌われやすいタイプだろうなあって思っている。バッシングも凄かったと思うし、悪意の雨もいっぱい降ってたんだろうなあ。

花乃ちゃんって普通のお化粧の時めちゃくちゃ可愛いのに舞台化粧になるとイマイチだな勿体ないなあと思っていたけど、雪華抄も金サバもすごくすごく綺麗でした。そうだよ花乃ちゃんは元から素材がいいんだ!綺麗だ花乃ちゃん!大変なことばかりだったと思うけど、お疲れ様でした。寂しいなあ。ありがとう花乃ちゃん、元気で幸せに過ごしてください。

*1:暗闇の中でチョンッて音が鳴ってパッて照明がつくこと。